待望の ” メリー・ポピンズ ” のミュージカルが帰ってきました!
この記事について
今回は、日本での再演が決定したミュージカル『メリー・ポピンズ』についてご紹介したいと思います。舞台版の「ストーリーライン」や映画版との「相違点」はもちろんのこと、貸切公演の「プレミアムナイト」の様子や「アフタートークイベント」など、観劇する前に知っておきたい情報や楽しみ方のポイントについて、臨場感たっぷりの ” 観劇レポート ” と共にお届けいたします。
彼女の魔法と夢の物語が、今、始まる…
ミュージカル『メリー・ポピンズ(Mary Poppins)』は、イギリスの児童文学作家「パメラ・リンドン・トラバース」の著書『メアリー・ポピンズ』および、1964年公開の同名長編アニメーションを基に舞台化されたディズニーの演劇作品です。日本においては、2018年に初演を果たし、2022年3月24日(※)より「東京」と「大阪」にて本作品の再演が決定しました。
補足(※)
2022年3月24日~30日の間は「プレビュー公演」となっています。本公演は、2022年3月31日~5月8日に東急シアターオーブにて、2022年5月20日~6月6日に梅田芸術劇場メインホールにて、上演予定となっています。
基本情報
【東京公演】メリー・ポピンズ(Mary Poppins)
- 所要時間:約2時間30分(1幕:80分/休憩:25分/2幕:70分)
- 劇 場:東急シアターオーブ(渋谷)
- 期 間:2022年3月31日~5月8日(※ プレビュー公演:2022年3月24日~30日)
場所について(Google マップ)
※ 情報は2022年4月時点のものです。
メリーポピンズについて
ミュージカルの本場、ウェスト・エンド・シアターにて上演
ミュージカル『メリー・ポピンズ』は、2004年12月、ブリストルのヒッポドローム劇場での初演後、ロンドンのウェスト・エンド・シアター(プリンス・エドワード・シアター)に舞台を移し、上演されました。
本作品のプロデュースは「Disney」および『レ・ミゼラブル』や『ミス・サイゴン』でもお馴染みの「キャメロン・マッキントッシュ」。舞台化にあたり、まるで魔法のような舞台装置や華々しいダンスシーンなど、観客を楽しませるマジックを至る所に散りばめながら、より繊細に、より丁寧に作り込んだと言います。
楽曲は、あの「シャーマン兄弟(※)」が手掛けた名曲『チム・チム・チェリー(Chim Chim Cher-ee)』をはじめ『スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス(Supercalifragilisticexpialidocious)』といった、つい口ずさんでしまいたくなるような軽快なミュージカルナンバーを中心に構成されています。
補足(※)
シャーマン・ブラザーズ(The Sherman Brothers):ディズニー映画の音楽作品を数多く手掛けている、米国の作詞家および作曲家。映画音楽以外には「イッツ・ア・スモール・ワールド」のテーマソング『小さな世界(It's a Small World)』なども制作。アカデミー賞の受賞歴あり。
混雑状況について
案の定、チケットは争奪戦に
チケット販売状況など
待望ミュージカルの再演ということもあり、千秋楽までは、休日を中心にチケットが手に入りにくい状態となっているようです。但し、前売券が終了となっていても、キャンセル等により、当日券を販売する場合もあるとのこと。
ディズニー・カードクラブの会員はお得がいっぱいです
ディズニー・カードクラブ(※)の会員であれば、会員限定の公演日チケットを購入することも可能です。
最新の公演スケジュール、チケットの購入に関しては【こちら】から。
補足(※)
ディズニー・カードクラブ(DISNEY CARD CLUB):ディズニー★JCBカードの会員向けのサービスおよび特典を提供しているウェブサイトのこと。東京ディズニーリゾートにおける「ランチプラン」をはじめ、ディズニーに関する「ライブ」や「イベント」といった、カードメンバー限定のプログラムを楽しむことができる。
座席料金について
座席のランクによって料金が異なっています。「B席」<「A席」<「S席」の順に価格は高額となっていきます。
参考(消費税(10%)を含む)
- 本公演:S席:¥14,000
- 本公演:A席:¥10,000
- 本公演:B席:¥4,500
※ 全席指定。
※ 4歳以上入場可(チケット購入必須)。
※ 座席図は【こちら】から。
体験レポート
果たして、あの ” 家族 ” の結末や如何に
それでは、貸切公演(プレミアムナイト)のミュージカル『メリー・ポピンズ』について、詳しくご紹介していきたいと思います。
外観/入場について
JR&京王井の頭線「渋谷駅」と直結する好立地
渋谷のランドマークのひとつとなっている「渋谷ヒカリエ」の11階にある劇場「東急シアターオーブ」にて ” メリー・ポピンズ ” は上演されています。
劇場階(11階)からの眺めも素晴らしい(怖)
シアターの他、建物内にはショップやカフェ、レストランといった商業施設やイベントホールなどもあります。遠方から来られる方々にも嬉しい施設ですね。観劇前や観劇後にお食事やお茶を楽しめるのも◎
渋谷ヒカリエ「東急シアターオーブ」のエントランス
シアター入場の際、事前購入済のチケットを常駐しているスタッフさんに提示して中へと入ります。
感染対策について
観る側もしっかり守って楽しみたい
劇場における感染対策は徹底されています。
- マスク着用(常時)
- 手洗い/手指消毒の徹底
はもちろんのこと、
- 入場時の検温
- 整列時における、ソーシャル・ディスタンスの確保や規制退場
- 体調や海外渡航の確認
など、感染拡大防止の対策に対し、運営側は真摯に取り組まれていらっしゃいます。
オリジナルグッズについて
ディズニー★JCBカードは ” お得 ” がいっぱい
私たちは、当公演をディズニー★JCBカードにて申し込んだため、スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャスの文字をデザインとしてあしらわれた「トートバッグ」が特典としてついてきました。カード会員冥利に尽きる、嬉しいサプライズです。
その他、東京ディズニーシー20周年記念の「ポストカード」や、「ディズニー・プラス」のお試しプランの「クーポン券」なども。
座席&注意事項
あのメリーを ” 最高ポジション ” で鑑賞できました
今回は待望の ” メリー・ポピンズ ” ということもあり、視界を遮らないよう、1列目狙いでチケットを探しました。実際に取得した座席は「3階席の1列目」。
全体を見渡すことができ、作品の世界観を味わうには最適な場所ではあるのですが、東急シアターオーブの劇場は ” 急勾配 ” となっているため、手すりの先はかなり高度が感じられます。高所恐怖症の私にとってその場所は、正直、拷問のようでした(笑)。
狙うは「3階」席!?
ところが、その席は「最高ポジション」であったことが、作品の最後にて明らかとなります(ネタバレ注意)。
なんと、メリー・ポピンズが飛び去るラストシーンで、最終到着地点となっているのが、私が座った席の真ん前だったのです。
私の頭上から、メリーは雲中(天井部)へと消えていきました。
あんな美しいものを見せられたら、ボクはもう、どうにかなっちゃいそうだ…
お美しいメリー・ポピンズ(笹本玲奈さん)を目前にし、カタルシスを得られたのは言うまでもありません。
意図せず取得した席にこんなサプライズが最後に待っていたとは、本当に嬉しく、感慨ひとしおでした。
客層について
ディズニー好きが集まった貸切公演ならではの雰囲気
あくまで肌感となりますが、老若男女問わず、すべての属性均等にいらっしゃっていたように思います。
当公演が、ディズニー・カードクラブをはじめとした ” 会員限定 ” ということもあり、幅広い層で支持されるディズニーならではの結果だと言えそうです。キャラクターのファッションを身に纏ったり、グッズをバッグ等につけていらっしゃる方も沢山見受けられました。
メリー・ポピンズのファンはもちろんのこと、ディズニー好きが一堂に会した、お祭りのようなイベントとなっていたように思います。
さあ、” メリー・ポピンズ ” の世界へ!
すでに頭の中では ” スパカリ ” が流れています(笑)
ミュージカル『メリー・ポピンズ』は「1幕」と「2幕」の ” 2部構成 ” となっています。
基本的には映画版に即したストーリーラインとなっていますが、一部、原作部分の追加およびカットされた場面が存在します。
それでは、本ミュージカルの詳細について「1幕(前半)」と「2幕(後半)」に分けてご紹介していきたいと思います。
1幕(前半)
ミュージカルの前半部分は「バンクス家」の元に「メリー・ポピンズ」が登場するシーンから始まり、メリーとバンクス家の子供たちとの触れ合い、バンクス夫婦のすれ違いや苦悩を経て、メリーがこの家を去ってしまうまでのストーリーが描かれています。
プロローグ ~ チム・チム・チェリー ~
英国ロンドンの ” お屋敷 ” が舞台となっています
煙突掃除用のほうきを持った謎めいた男「バート」が誘う「チェリー・ツリー・レーン」から物語の幕は上がります。
舞台となっているバンクス家には「ジョージ」と「ウィニフレッド」というバンクス夫妻、ふたりの子供にあたる、姉の「ジェーン」と弟の「マイケル」、料理人兼家政婦の「ミセス・ブリル」と使用人の「ロバートソン・アイ」が住んでいます。
問題が山積した家族は ” 絆 ” を取り戻せるのか!?
ジェーンとマイケルは手に負えないほどいたずらっ子であったため、子守はどんどん辞めていきましたが、子供たちが作成した ” 求人広告 ” を見て、1人の女性が子守として登場します。
そう、彼女が本作品の主人公「メリー・ポピンズ」だったのです。
メリーの魔法 ~ スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス ~
不思議な世界へと一歩足を踏み入れると…
メリーは美しく賢い女性でした。反抗的な態度をとった子供たちには厳しく躾をする一方、お行儀よくしていれば、素敵な魔法の世界へふたりを連れて行ってくれたのです。公園でバートと出会った子供たちは、その身なりから、最初、彼を嫌厭しますが「外見にとらわれず、中身をよく見極める」ことの重要性をメリーに教えられます。
ふたりは、厳しくも優しさにあふれる彼女のとりこになっていきました。
やってきたのも束の間「メリー」はバンクス家を去ることに…
メリーと子供たちの関係が順調に築かれる一方、バンクス夫妻の間にある問題は徐々に浮き彫りになっていきます。妻や母としての役割を果たせていないことに苦悶するウィニフレッドと、勤務先の銀行を苦境に陥らせてしまったジョージ。彼は家族に八つ当たりし、そんな父親に耐えられなくなった子供たちはおもちゃを乱暴に扱うように…。
その姿を見たメリーは、子供たちの目を覚ます意味を込めて「オ・ルヴォワ-(※)」と書かれた手紙を残してチェリー・ツリー・レーンを去っていきました。
本シーンの後、休憩時間(約25分)へと入ります。
補足(※)
オ・ルヴォワー(au revoir):フランス語で「さようなら」を意味する言葉。英語の「See you again」に近いニュアンスを持つことから「また、いつの日か会いましょう」と言った意味も含んでいる。
2幕(後半)
ミュージカルの後半部分は「メリー」と「バンクス一家」の再会。そして「ジョージ」の進退と彼を護る決心をする「ウィニフレッド」、そんな母親の背中を押す「ジェーン」と「マイケル」。作品の核心部分にあたる、家族の ” 絆 ” について描かれています。
再会 ~ ステップ・イン・タイム ~
果たして、ジョージの銀行の運命は…
メリーがいなくなってしまったバンクス家。新しい子守の「ミス・アンドリュー」は、その暴君な振る舞いにより、子供たちから恐れられています。凧に乗って颯爽と現れたメリーの魔法によって、アンドリューを追い払うことに成功。メリーとの再会を喜ぶ子供たち。
安堵するのも束の間、ジョージは自身が起こした仕事上のトラブルによる解雇を受け入れるため、銀行へと向かいます。夫を弁護するため、ウィニフレッドも彼の後を追うことに。
家族の絆 ~ どんなことだってできる ~
メリーの役目は、この家族を ” 幸せ ” へと導くこと…
ジョージは、自ら下した判断が銀行へ多額の利益をもたらしたという事実を知ります。夫を弁護するために駆け付けたウィニフレッドもそのことを知り、見事な交渉力で以って、夫の好待遇を勝ち取りました。そんな優秀な妻を今まで見くびっていたジョージは彼女に謝罪し、妻や子供たちと過ごす時間を優先することを、今後の仕事の条件としました。
バンクス家に幸せが訪れたことを悟ったメリーは、こちらの世界での支えとなっていた「バート」の頬に別れのキスを捧げ、空の向こうへと旅立っていきました。
総評
余韻を味わいながら、一筆したためます
映画版は言うまでもなく素晴らしい作品ではありますが、ミュージカル版はさらにストーリーや人物の設定、性格がブラッシュアップされ、より深みや奥行きを感じさせる作品に仕上がっていたと感じました。
あっと驚く ” 仕掛け ” が至る所に
また、舞台装置に至っては、まるで魔法のようなギミックや演出が随所に散りばめられており「これ、どんな仕組みになっているの?」と思いながらも、この ” 不思議な世界観 ” を存分に楽しませていただきました。
個人的にはミス・アンドリュー役の「島田歌穂さん」と出会えて感動!
今回、演じられた役者さんについて、少し、ご紹介させていただきます。
ミステリアスな雰囲気が見え隠れする一方、すべてを包み込むような温かさや芯の強さも感じられるところが ” バート ” の魅力です。そんな、七変化のような演技を見事に演じられていらっしゃったのは、ワン・アンド・オンリーな俳優さんでもある「小野田龍之介さん」。観劇後のイベントでも、きらりと光るトークを披露してくれました。
あのラストシーンの感動は、一生、忘れることはないでしょう
そして、主人公「メリー・ポピンズ」の役を演じられたのは「笹本玲奈さん」。振舞い、所作、発声、歌唱力など、すべての要素において、笹本さんは、美しさ、賢さ、正しさを備えた「メリー・ポピンズ」そのものでした。類まれなる ” 才能 ” を持っていらっしゃる方であるため、もう、何というか、抜群の安定感&安心感で以って、舞台を楽しませていただきました。
いつの日か「濱田めぐみさん」×「大貫勇輔さん」コンビの舞台も観てみたいです
メリーの魔法と夢が花開く、ミュージカル『メリー・ポピンズ』。
本作品で演じられたすべての役者の皆様、アンサンブルやオーケストラの方々、ステージを彩ってくれた技術や衣装、小&大道具を担当された方々には、私の心の中に光り輝く熱い思いを届けてくれたことに、心より感謝の気持ちを伝えたいと思います。
アフタートークイベントについて
ここでしか聞けないレア話もありますよ~
公演日によっては、キャストさんとのトークを楽しめる「アフタートークイベント」が開催されるようです。
公式にアナウンスされているスケジュールは以下のとおりとなっています。
東京公演スペシャルナイト★アフタートーク
- 3月31日(木)18:00
- 登壇者:大貫勇輔さん/山路和弘さん/島田歌穂さん/浦嶋りんこさん
- 4月5日(火)18:00
- 登壇者:濱田めぐみさん/木村花代さん/ブラザートムさん/石川新太さん
- 4月7日(木)18:00
- 登壇者:笹本玲奈さん/知念里奈さん/コング桑田さん/内藤大希さん
- 4月29日(金)17:30
- 登壇者:小野田龍之介さん/駒田 一さん/鈴木ほのかさん/久保田磨希さん
私たちの訪問日は「プレミアムナイト」ということもあり、通常のスケジュールとはまた別に、アフタートークイベントが設けられていました。
えっ、このお二人が登壇するって、ヤバ過ぎる展開…
トークキャストは、何と、メリー・ポピンズ役の「笹本玲奈さん」とバート役の「小野田龍之介さん」のお二人。これって、豪華過ぎやしませんか。
会場の観客同様、お二人とも「ディズニー」が大好きとのことで『メリー・ポピンズ』のミュージカルに出演できたことを本当に喜んで語っていらっしゃいました。笹本さんと小野田さんは長年の付き合いらしく、掛け合いもばっちりで、お二人の会話のやり取りを聞いているだけで、自然と笑顔が零れました。
観客へのプレゼント(Tシャツやプログラムなど)企画なども
司会(インタビュアー)の方もステージ上に登り、笹本さんと小野田さんに質問を投げかけ、お答えいただくというスタイルで進められました。
所要時間は、約30分といったところでしょうか。
司会者からの「このミュージカルの見どころは?」という質問に対し、お二人とも「元々、ミュージカルには登場しない ” ペンギン ” が登場する」とおっしゃっていました。
映画に対するオマージュが、本編のどこかに隠されているということですね。
みんなが気になる「あのトリック」の謎も解き明かされる!?
他にも「バートがステージの壁や天井を歩くシーンはどういう仕組みになっているのか?」という質問に対し、小野田さんは「メリー・ポピンズの魔法のおかげで」といったユーモアにあふれる回答もされていました(笑)。
お二人の魅力でお腹いっぱいになれるような、そして、観客へのプレゼントも大盤振る舞いな楽しいイベントとなりました。
メリーの魔法と夢を、是非、目の前で!
テキパキ動く!サッサッサッ!
今回は、日本再公演のミュージカル『メリー・ポピンズ』についての体験レポートをお届けしました。
本ミュージカルは、ディズニー好きなら一度は観てみたいと思っている作品のひとつではないでしょうか。メリーの魔法や夢に、きっと誰もが魅了されることでしょう。ディズニー・カードクラブをはじめとした会員の ” プレミアムナイト(貸切公演)” ということもあり、より劇場内に一体感が生まれていたようにも思います。個人的には、目の前で「メリー・ポピンズ」と出会えたことが、本当に感激で、しばらくこの興奮を誰にも話せずにいました(笑)。
今は自由に歌唱することができず、とても残念ですが、いつの日か、キャストの皆さんや劇場に来られた方々と「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」を歌える日が来ることを心から楽しみにしています。