これに乗らずしてヴェネツィアを去るわけにはいきません(笑)
この記事について
今回は、ヴェネツィア(イタリア)の風物詩「ゴンドラ・クルーズ」についてご紹介したいと思います。「クルーズの内容」や「絶景スポット」はもちろんのこと、ゴンドラにまつわる「トリビア」や「ヴェネツィアの観光ガイド」など、体験する前に知っておきたい情報や楽しみ方のポイントについて、臨場感たっぷりの ” 体験レポート ” と共にお届けいたします。
ゆらり揺られてのんびり船の旅~
ヴェネツィアと言ったら、真っ先に「ゴンドラ」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。イタリアの芸術家たちもゴンドラを題材とした作品を数多く残しており、アートやデザインといった観点からも、この地とゴンドラは切っても切り離せない関係にあります。
ゴンドラは ” 水の都 ” の風物詩
ワンコロもゴンドラに揺られてご満悦
ゴンドラに乗って街から街へと移動するというイメージが持たれがちですが、ゴンドラは交通手段ではありません。あくまで、観光客向けの ” アトラクション ” として、現在はその役目を果たしています。
国鉄駅(Ferrovia)前のヴァポレット乗り場
ヴェネツィアでは島内に乗用車が入ることは禁止されているため、実際の移動には「ヴァポレット(水上バス)」や「水上タクシー」などを利用することになります。
ヴェネツィアについて
アカデミア橋からの眺め
風光明媚な水の都
イタリア北東部に位置するアドリア海沿いの都市「ヴェネツィア(ヴェニス)」は「水の都」とも呼ばれています。その名の通り、街全体が水路で覆われており、大運河を意味する「カナル・グランデ (Canal Grande) 」が街の中心をS字に流れています。
カナル・グランデの中心にある「リアルト橋」はヴェネツィアのシンボル
かつては海軍国家として強大な勢力を誇っていたヴェネツィア。
発祥の地と言われる「リアルト」には「リアルト橋」、観光の中心地「サン・マルコ広場」にはヴェネツィアの守護聖人「マルコ」に捧げられた「サン・マルコ寺院」といった歴史的な建造物とも出会えます。
日本人好みなグルメも
名店「Poste Vecie」の ” 海鮮フリット ” はボリューム満点!
また、漁業も盛んなことから、海鮮をはじめとしたヴェネツィア料理はどれも絶品。グルメの舌も唸らせる、イタリアを代表する美食の街でもあるのです。
高潮(アックア・アルタ)に注意
長靴を履いてサン・マルコ広場を歩く観光客の映像は衝撃的でした
ヴェネツィアは日本人にも人気の高い観光地ではありますが、良いことばかりというわけではありません。時折「アックア・アルタ(acqua alta)」という高潮により、街が水没してしまうこともあるのです。
記憶に新しいところでは、2019年、史上2番目の高潮により、ヴェネツィアの街が9割近くも水没してしまったというニュースが世界中を駆け巡りましたね。
「鐘楼」はサン・マルコ広場のランドマークです
このように、良いことも、大変なことも含め、まさにヴェネツィアは「水と共に生きる街」だといえるのでしょう。
ゴンドラ・クルーズについて
私たちは「H.I.S.」のオプショナル・ツアーを利用しました
ツアーは思いの外 ” システマティック ”!?
上述のとおり、ヴェネツィアのゴンドラはアトラクションとして機能していますが、島内を好き勝手にクルージングできるというわけではなく、乗り場ごとにコースが決められています。
また、移動手段ではないことから、必ず、同じ場所(乗り場)にまで戻ってきます。
所要時間は「約30分/1周」といったところでしょうか。
予約は必要!?
予約は取っておいた方が◎
ゴンドラ・クルーズは、ヴェネツィアにおいて、大変人気の高いアトラクションのひとつとなっています。
当日、ゴンドラ乗り場に並んで体験することも可能とのことですが、予約者やツアー客が優先されるため、リザーブしておかないと、長い長い列で順番を待つことになります。
故、予約は早めに取っておくようにしましょう。
料金はいくら??
さすが「H.I.S.」さんですね
乗船料は30分あたり「80ユーロ(約10,000円)」が相場となっていますが、私たちが今回利用した「H.I.S.」のオプショナル・ツアーでは「34ユーロ(約4,250円)」と、かなりリーズナブルな価格でゴンドラに乗ることができました。
ちなみに漕ぎ手の歌(カンツォーネ)付きプランの場合は、プラスアルファで料金が発生するとのこと。
※ 価格は2019年10月時点のものです/単位はユーロ(€1=約125円)。
集合場所/受付など
待ち合わせ場所は「コッレール博物館」近くにあります
ゴンドラ乗り場へ移動する前に、予約者はまず、上画像の「郵便局前(Poste Italiane)」に集合します(場所は下の「Googleマップ」をご参照ください)。
MAP(Google マップ)
※ 情報は2022年1月時点のものです。
複数の旅行代理店がこの場所を「集合場所」に指定しているため、終日、観光客でごった返しており、カオス状態となっています…。
そして、何故か、予約の時間になっても、召集されるような気配は皆無であるため、予約者は近くにいる運営スタッフ?と思しき係員に、こまめに確認する必要があるようです。
体験レポート
頭すれすれになりながら漕いでいきます(笑)
それでは、ヴェネツィア(イタリア)の「ゴンドラ・クルーズ」について、詳しくご紹介していきたいと思います。
乗り場にて
” スペース・マウンテン ” 並みに回転率は高い!?
スタッフさん先導の下、予約者一行、乗船場へと向かいます。
ヴェネツィアのゴンドラ乗り場は全部で「3か所」に分かれているとのこと。ちなみにこちらは「バウアー(Bauer)前」の乗船場です。
ライドについて
私たちはこちらのゴンドラに乗りました
ゴンドラは、一艘一艘、カスタマイズされており、同じデザインのもの存在しないと言われています。「フェッロ(船体前方にある鉄製の飾り)」や「ペッティ(船体装飾)」を変えることで、オリジナリティを出しているとのこと。
ヴェネツィアの守護聖人 ” マルコ ” の象徴「有翼の獅子」のペッティ
また、ゴンドラは一艘作るのに、約600万円程度の費用が掛かるそうです。つまり、ゴンドラでのクルーズは「高級車」でドライブしているのと変わりないということですね(笑)。
ゴンドリエーレについて
カンツォーネも歌えるよ~
ゴンドラの漕ぎ手のことを「ゴンドリエーレ」と言います。ヴェネツィアの歴史を4か国語で説明できないと、ゴンドリエーレとしての資格は与えられないのだとか。黒と白のボーダー柄のシャツが、伝統的なスタイルとなっています。
乗船中、ヴェネツィアの歴史が聴けるのかと楽しみにしていたのですが、彼らが実際に説いていたのは「歴史」ではなく、乗客の女性に対する「口説き文句」でした。
それでこそ、イタリアン・メンズの「魂」というものよ。流石です(笑)。
いよいよ、出航です
潮風に吹かれながら出発進行
私たちはクロアチアとスロヴァキア出身の美女二人と相席する形で乗船しました。彼女たちは気さくで抜けるような明るさがあり、束の間の船旅を楽しいものにしてくれました。お互いにスマホを交換して写真を撮り合ったり、しばしの異文化交流を楽しみました。
狭い水路をゆっくりと進んでいきます
橋の下を幾度となく潜り抜けます
ヴェネツィアは水路で覆われた街であるため、至る所に「橋」が架けられています。ゴンドラはその真下を一つひとつ、潜り抜けていくわけです。
この橋はTDSの ” ポンテ・デイ・ベンヴェヌーティー ” に酷似!?
華美な装飾の橋があるかと思えば、質素だったり、何の変哲もないデザインのものがあったりと、船旅で出会った橋のそれぞれに味わいや個性が感じられました。
ちなみに私は、歴史が感じられるような「クラシカルな橋」が好きでした。クルージング中、是非、お気に入りの橋を見つけてみてはいかがでしょうか。
ドヤ顔をしてすれ違うイケメンなゴンドリエーレくん
こんな狭い水路さえも、ゴンドリエーレの見事なテクニックでするりと通り抜けていきます。
定員は1艘につき4~6名ほど。TDSのヴェネツィアン・ゴンドラ(定員16名)よりは、だいぶ少なめとなっています(笑)。
アックア・アルタ(高潮)になったら、このあたりはアジャパーですね
ゴンドリエーレ曰く、水路の平均の深さは約2メートルとのこと。思っていたより浅めだったことに、少々、驚きました。
グランド・カナルへ
海側へ出ると波が荒くなるため、揺れが少し強くなります
大海原に出ました。「アドリア海」と言われる地中海の海です。ハーバー沿いに見える建物は、どことなく、何となく「ミラコスタ」に見えてきませんか??
サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂
となると、こちらの聖堂はさしずめ東京ディズニーシー(メディテレーニアンハーバー)の「フォートレス(要塞)」といったところでしょうか(笑)。
さすがにヴェネツィアにはプロメテウス火山はありませんが(笑)
TDSの ” ヴェネツィアン・ゴンドラ ” の風景と重ねながら、本場のゴンドラ・クルーズを楽しむという過ごし方は、日本人ならでは、と言えるかもしれませんね。
船着き場へと到着
ゴンドラの大渋滞が起こっています(笑)
再び、狭い水路へと戻り、この約30分間の船旅も終わりを迎えます。
最後にゴンドリエーレにはお礼のチップをあげましょう。降り口にもチップ置き場はありますが、直接手渡しすると、意外と喜ばれますよ(笑)。
改めてTDSの ” ヴェネツィアン・ゴンドラ ” の素晴らしさを知る
やっぱり ” ヴェネツィアン・ゴンドラ ” はいいなぁ~
イタリア旅行後、改めて東京ディズニーシーの「ヴェネツィアン・ゴンドラ」に乗船してみました。
これまでに幾度となく体験したことのある大好きなアトラクションであったにもかかわらず、本場さながらのリアルさ、こだわりの強さ、味わいが感じられ、まるで、初めて乗船した時とよく似た驚きや感動を覚えました。
ヴェネツィアの ” 思い出 ” が呼び起こされる!?
ヴェネツィアにて本物のゴンドラを体験したことで、本アトラクションの ” 底力 ” のようなものと、初めて出会えたような気がします。
ゴンドラ・クルーズは ” ヴェネツィア旅行 ” のハイライト
ヴェネツィアにはまた行きたい
今回は、ヴェネツィア(イタリア)の風物詩「ゴンドラ・クルーズ」についての体験レポートをお届けしました。
仄かに香る潮の匂いや風を感じながら、ゆらゆらとゴンドラに揺られていると、得も言われぬ旅情を感じます。美しい景観を眺めながら、TDS版との乗り比べをしてみるのも一興かもしれません。私たちがそうであったように、東京ディズニーシーのヴェネツィアン・ゴンドラのリアルさや存在の大きさを再認識する契機となることでしょう。
イタリア(ヴェネツィア)を訪れた際は、是非、” 水の都を味わえる、ノスタルジックな船旅 ” を、体験してみてはいかがでしょうか。