
ディスカバリーランドの要(かなめ)アトラクションのひとつ
ディスカバリーランドのラグーンには、レトロなデザインの潜水艦が浮かんでいます。ノーチラス号です。ジュール・ヴェルヌのSF小説『海底二万里(Twenty Thousand Leagues Under the Seas)』に登場する潜水艦で、ウォルト・ディズニーは1954年にこの小説を映画化(『海底二万里(Twenty Thousand Leagues Under the Seas)』)しています。
この記事の目次
ディズニーシーのアトラクションとは違います
小型潜水艇で海底を旅するディズニーシーの「海底2万マイル」とは異なり、潜水艦の中を見学して回る、ウォークスルー型のアトラクションになっています。このタイプのアトラクションはディズニーランド・パリ独自のものです。
スペース・マウンテンの記事でも話しましたが、パリのディスカバリーランドは、ディスカバリー・マウンテンという火山島を中心としたエリアになるという構想がありました。その港に停泊している潜水艦がこのノーチラス号であり、構想段階ではアトラクションではなく、水中レストランになる予定だったようです。

この火山がディスカバリー・マウンテンでしょうか。プロメテウス火山とよく似ていますね
海底二万里とはどんなストーリー?
時は1868年。南太平洋では船舶が撃墜されるという事故が多発していました。それは謎の生物による仕業と専らの噂でしたが、実際に船を襲っていたのは生物ではなく、その時代の科学を遥かに凌ぐ力を持った潜水艦でした。潜水艦の名はノーチラス(Nautilus)。艦長はネモ(Nemo)と言いました。ノーチラス号の攻撃によって海に投げ出された海洋生物学者のアロナクスとその助手コンセイユ、ギター好きのネッド・ランドを助けた(実際は捕虜とした)ネモは、彼らと共に、アトランティスの遺跡巡り、人食い人種との遭遇、巨大なイカとの死闘など、様々な冒険を繰り広げることとなります。最後はもつれた人間関係と共にノーチラスに訪れた悲劇により幕を下ろすことに―。
海底を舞台としたSFファンタジーとして今もなお人気のある作品の一つです。様々な人間模様も描かれており、決して美しいとは言えないような心理描写もありますが、ヒューマン映画としても素晴らしい作品です(ノーチラス号と聞くと、どうしても『ふしぎの海のナディア』を思い出してしまうのは私だけでしょうか??)。
ちなみに「ノーチラス」とは「オウムガイ」を意味しています。アンモナイトに似た、軟体動物です。
アトラクションのデータ
ノーチラス号の謎(Les Mystères du Nautilus)
- 所要時間:制限なし(10分程度)
- アトラクションタイプ:ウォークスルー(ファミリー向け)
- エリア:ディスカバリーランド(ディズニーランド・パリ)
- 開始日:1994年7月4日
- ファストパス:✕
混雑状況など
待ち時間、混む時間帯など

実際の待ち時間はありません
表示板やアプリ上では「5分」となっていますが、ウォークスルータイプなので、基本的に待ち時間はなく、すぐに入場できます。
ファストパスには対応しているの?
ファストパス非対応のアトラクションです。
体験レポート
外観について

ここから潜水艦の内部へ入っていきます
小説の中のノーチラス号は最新鋭の潜水艦ではありますが、それが19世紀における設定であることや、ディスカバリーランド自体がレトロ・フューチャーをコンセプトとしているということもあり、やや古めかしいデザインになっています。古めかしいとは言っても、繊細な装飾、落ち着いた色合いなどから、その外観にはどこか気品が感じられます。ディズニーシーのノーチラス号とも見た目の違いはあるので、比較してみるのも楽しいかもしれませんね。
内部はどうなっているの?

意外と潜水艦内部は広い
潜水艦内部には、ネモ船長の部屋やサロン、エンジンルームなどがあります。薄暗い艦内を歩くので、重要スポットを見逃さないよう、お気をつけください。
ネモ船長の部屋

デザイン性の高いシングルベッド
ネモ船長の部屋にはベッドの他、書籍や芸術品、絵画などが見られます。彼はなかなかの文化人のようです。
チャートがあります

よくみると「JAPAN」と書かれた陸地もありますね
艦内にはチャート(海図)があります。ネモ船長はこの海図を頼りに数々の航海と冒険をしてきたのでしょうか。
巨大イカの模型が飾られてあります

The クラーケン??
ガラスケースに入れられた巨大イカのフィギュアも見ることができます。並べてある人形と比べると全長は20メートルくらいあるでしょうか。大きさから推測してもダイオウイカかもしれませんね。
オルガンでバッハを弾くネモと対面

オルガンの音色って、薄暗い空間で聴くとちょっと怖くないですか??
潜水艦の心臓部にはサロンがあります。ここには書籍や芸術品、宝石などが集められています。ひと際目立つのがオルガンです。これはネモ船長のもので、オルガンからはバッハの『トッカータとフーガ(ニ短調)』が聴こえてきます。オルガンにはミラーがあり、そこにはネモ船長が映し出されています。少し見づらいですが、ネモとの対面もお見逃し無いように。
サロンの窓にも注目

ここがこのアトラクションのハイライト!?です(笑)
普段、サロンにある窓は閉まっているのですが、開いたときは是非、外の様子にも注目してみてください。なんと、巨大なイカが潜水艦に襲い掛かってきます。ウォークスルーの特性上、このスポットをスルーしてしまうゲストも多いようですが、ここはしばらく待ってみて、巨大イカの攻撃を食らってみましょう。
ネモ船長と一緒に海底の旅へ!

ノーチラス号の謎を一つひとつ解き明かしていきましょう
空いているアトラクションだからといって、つまらないと思ったら大間違いです。ディテールにこだわりがあり、海底2万マイルの世界観が見事に再現されています。意外と歩く距離があるので、それにも驚きです(実際は外で見えている潜水艦の中を探検しているのではなく、地下に作られたスペースを歩き回ることになるので、思いの外、距離があるのです)。アナハイムのニモの潜水艦、TDSの海底2万マイルとはまた違った感覚で楽しめる潜水艦系アトラクション!?ですので、ディズニーランド・パリ訪問の際は、ぜひ、お立ち寄りしてみてはいかがでしょうか。