新劇場にて ” ライオンキング ” のミュージカルが開幕しました!
この記事について
今回は、劇団四季を代表するミュージカル『ライオンキング』についてご紹介したいと思います。舞台版の「ストーリーライン」や映画版との「相違点」はもちろんのこと、劇場の「混雑状況」や「公演グッズ&限定アイテム」など、観劇する前に知っておきたい情報や楽しみ方のポイントについて、臨場感たっぷりの ” 観劇レポート ” と共にお届けいたします。
あの尊い ” 生命の物語 ” が、今、始まる…
ミュージカル『ライオンキング(The Lion King)』は、1994年公開の長編アニメーション『ライオン・キング』を基に舞台化されたディズニーの演劇作品です。日本においては、1998年12月20日より「劇団四季(※)」が本作品を演じており、現在は「有明四季劇場」にてロングラン上演を行っています。
補足(※)
劇団四季(げきだんしき):演出家「浅利慶太」らが中心となって創設した日本を代表する劇団。浅利氏がプロデュースする「劇団四季オリジナルミュージカル」や「ストレートプレイ」の他、ブロードウェイやディズニーといった商業演劇なども、数多く上演している。
基本情報
【東京公演】ライオンキング(The Lion King)
- 所要時間:約2時間40分(1幕:75分/休憩:20分/2幕:65分)
- 劇 場:有明四季劇場(有明/国際展示場)
- 期 間:2021年9月26日~ ※ ロングラン上演。
場所について(Google マップ)
※ 情報は2021年10月時点のものです。
ライオンキングについて
ミュージカルの本場、ブロードウェイでも上演
ミュージカル『ライオンキング』は、1997年7月、米国ミネソタ州の「オルフェウム劇場」にて初演後、正式公演の場をニューヨークのブロードウェイに移し、現在は「ミンスコフ劇場」にて上演されています。
本作品の脚本は、映画監督でもある「ロジャー・アラーズ」と、米国の脚本家「アイリーン・メッキ」による共同執筆となっており、ミュージカルの演出や衣装デザイン等は「ジュリー・テイモア」が担当しています。
本ミュージカルの音楽は2人の ” 巨匠 ” の強力タッグ
楽曲は英国を代表するシンガーソングライター「エルトン・ジョン」によるもの。歌詞は「アカデミー賞」をはじめ、数々のアワードを総なめしている作詞界のレジェンド「ティム・ライス」が手掛けています。ふたりのタッグによるミュージカル作品は『アイーダ』が有名です。
世界中で1億人以上が本ミュージカルを観劇していると言われており、商業的にも大成功を収めています。
また、芸術面においても高い評価と偉業を成し遂げており、代表的なところでは、1998年に「トニー賞」の最優秀ミュージカル賞(Tony Award for Best Musical)を受賞しています。
混雑状況について
有明の地に、新たな専用劇場が誕生しました
チケット販売状況など
四季を代表するミュージカルということもあり、上演当月ともなると、完売または残りわずか状態となっているようです。但し、前売券が終了となっていても、キャンセル等により、前日予約や当日券を販売する場合もあるとのこと。
四季の会員はお得がいっぱいです
四季の会員であれば、一般の発売日より早くチケットを購入することも可能です。
最新の公演スケジュール、チケットの購入に関しては【こちら】から。
座席料金について
公演日によって料金が異なっています。料金は「バリュー」<「レギュラー」<「ピーク」の順に高額となっていき、座席のエリア(S1/S/A1/A2/B/C)によっても、価格は変わります。
参考(消費税(10%)を含む)
- 一般:ピーク(S1):¥12,100
- 一般:レギュラー(S1):¥11,000
- 一般:バリュー(S1):¥9,900
- 一般:バリュー(C):¥2,750
※ S/A1/A2シートには子ども料金設定あり(対象:3歳以上小学校6年生以下)。
※ エリアコースの方は会員割引は無し。
※ 座席図は【こちら】から。
体験レポート
果たして、あの ” ライオン坊や ” の結末や如何に
それでは、劇団四季のミュージカル『ライオンキング』について、詳しくご紹介していきたいと思います。
外観/入場について
徒歩で「国際展示場」からは8分、「有明」からは10分ほど
2021年9月に誕生した劇団四季の専用劇場「有明四季劇場」にて ” ライオンキング ” は上演されています。
新劇場は、住友不動産商業マネジメント株式会社が運営する複合施設「有明ガーデン(ARIAKE GARDEN)」の一角にあります。
有明エリアの新定番スポットに
シアターの他、ショップやレストランといった商業施設やホテル&スパ(泉天空の湯)などもあります。遠方から来られる方々にも嬉しい施設ですね。観劇前や観劇後にお食事やお茶を楽しめるのも◎
シンバのロゴをあしらったワイシャツなども
有明ガーデン内にテナントとして入居しているネクタイ&ワイシャツの専門店「Doctor Belee(ドクターベリー)」では、劇団四季『ライオンキング』とのコラボレーションという形で、本ミュージカルをテーマとした企画アイテムを販売していました。
今回「有明四季劇場」へ初訪問!
元々『ライオンキング』は、大井町(東京)の四季劇場「夏」にて上演されていましたが、大井町エリアの再開発に伴い、本シアターは2021年6月12日に閉館。新たな上演場所として「有明四季劇場」が開館し、同年9月26日、こけら落とし公演が行われました。
有明四季劇場のエントランス
シアター入場の際、事前購入済のチケットの二次元コードをエントランスに設置されているスキャナーにかざして中へと入ります。
劇団四季の感染対策について
熱が37.5℃以上ある方は入場不可となっています
劇団四季の感染対策は徹底されています。
- マスク着用のお願い
- 手洗い/手指消毒の徹底
はもちろんのこと、
- 入場時の検温
- ショップや化粧室などの列における、ソーシャル・ディスタンスの確保
- グッズのオンライン購入推奨
など、感染拡大防止の対策に対し、真摯に取り組まれていらっしゃいます。
座席&注意事項
四季作品は ” お気に入りの場所 ” で観たい
今回は待望の『ライオンキング』ということもあり、私のお気に入りの席のひとつ「2階席の1列目」にて観劇いたしました。全体を見渡すことができ、作品の世界観やライブ感を味わうには最適な場所なので、こちらのシートを選んで観ることが多いです。
マナーを守って観劇しましょう
但し、この席で観る方は、少し注意が必要です。上の画像にもあるとおり ” 前傾姿勢 ” になると視界を妨げてしまうため、周りの観客の方々にご迷惑をかけてしまいます。
故、2階1列目のシートでは、姿勢正しく観劇するようにしましょう(笑)。
目覚ましも鳴らさないように(笑)
また、劇場内において写真や動画の撮影、録音は一切禁止となっています。これは法に基づくものです。劇が始まる前には携帯電話の電源を切り、マスク着用で静かに観劇しましょう。これらの基本的なマナーをしっかりと遵守し、皆で ” 四季 ” の公演を楽しみたいですね。
客層について
やっぱり『ライオンキング』は最初に観てもらいたい
あくまで肌感となりますが、普段の演目と比べ、” ファミリー層 ” が若干多めであったように感じます。
本ミュージカルは「ディズニー」が題材になっていることに加え、幅広い層で楽しめるストーリーとなっているため、観劇デビューに相応しい作品であると言えるかもしれません。
また、私のように、四季のファンであればあるほど、新たな劇場で、新たな空気を感じながら大好きな作品を味わいたいという気持ちで足を運ばれた方も大勢いらっしゃることでしょう。
さあ、” ライオンキング ” の世界へ!
すでに頭の中では ” サークル・オブ・ライフ ” が流れています
ミュージカル『ライオンキング』は「1幕」と「2幕」の ” 2部構成 ” となっています。
基本的には映画版に即したストーリーラインとなっていますが、一部、展開が異なるシーン、追加およびカットされた場面が存在します。
それでは、本ミュージカルの詳細について「1幕(前半)」と「2幕(後半)」に分けてご紹介していきたいと思います。
1幕(前半)
ミュージカルの前半部分は獅子王「ムファサ」の息子「シンバ」の誕生から始まり、やんちゃな子供時代、父の死を経て、シンバがプライドランドを立ち去り、” ティモン&プンバァ ” と共に暮らし始めるまでのストーリーが描かれています。
生命の讃歌 ~ 早く王様になりたい ~
物語は ” ツリー・オブ・ライフ ” の下で語られます
アフリカのサバンナの夜明け。呪術師でもあるヒヒの「ラフィキ」が、生命の連環をテーマとする讃歌「サークル・オブ・ライフ」を歌い、ありとあらゆる動物たちが楽園「プライドランド」に会するシーンから、この物語は始まります。
大地を見渡せる岩山「プライドロック」の頂上には、生まれたばかりのムファサの息子「シンバ」の姿が。
祝福ムードに包まれる中、世継ぎの誕生により王位継承第一位の座を奪われてしまったムファサの弟「スカー」だけは、シンバの誕生を快く思っていませんでした。
獅子の仮面を外し、ひとりの ” 父親 ” として向き合いました
シンバは、父のような勇敢な王になることを夢見る一方、スカーの策略にまんまとハマり、行ってはならぬと言われていた「象の墓場」へ足を踏み入れてしまいます。ハイエナの巣窟と化したその禁断の場所で、ガールフレンドの「サラ」と共に危うく命を落としかけます。
父ムファサによって助けられたシンバは「勇敢と軽率は違う」と諭されます。そして、偉大な王であった先祖たちは、今も夜空の星から自分たちのことを見守り、我々の中で生き続けている、ということを教えられたのでした。
王の死 ~ ハクナ・マタタ ~
こやつにやられたら、ひとたまりもありません
その後、シンバを利用してスカーが仕掛けた罠により「ヌー」の大群に襲われたムファサは、瀕死の状態に。命からがら助けを求めたものの、スカーの手によって崖から突き落とされ命を落とします。
王の死により、悲しみに沈むプライドランド。
ムファサの死は「お前のせいだ」とスカーに責められたシンバは、悲嘆に暮れ、故郷を立ち去ることに…。
” ハクナ・マタタ ” は「スワヒリ語」版の「なんくるないさ~」
王国を去ったシンバは新天地にて新たな友人ができました。ミーアキャットの「ティモン」とイボイノシシの「プンバァ」です。
彼らは打ちひしがれたシンバに「ハクナ・マタタ(気にすんなよ~)」と言って、励まし、一緒に暮らし始めました。
本シーンの後、休憩時間(約20分)へと入ります。
2幕(後半)
ミュージカルの後半部分は「シンバ」と「ナラ」の再会。偽王「スカー」によって荒廃してしまったプライドランド。そして、父との約束を思い出し、かつての大地を取り戻すべく、故郷へと向かった ” シンバの決意 ” について描かれています。
父の面影 ~ 愛を感じて ~
第二幕はアパルトヘイトによって弾圧された ” アフリカ民族たちの歌 ” から始まります
荒涼とした大地が広がった、スカー悪政下のプライドランド。彼自身も周囲から信頼されず、思い描いていたものとはかけ離れた世界で生きていました。
一方、ティモンやプンバァと気ままに暮らしていたシンバは、ある日、プライドランドから逃れてきた幼馴染の「サラ」との再会を果たし、故郷の荒廃ぶりを知らされます。
美しく成長したサラに惹かれつつも、自責の念に駆られ、祖国へ戻る決心がなかなかつけられないでいるシンバ。
そして、その様子を見かねるサラ…。
シンバの決意 ~ サークル・オブ・ライフ ~
うぉぉぉぉぉぉぉぉ~!!
しかしながら「お前の中に父は生きている。お前こそ王となるべきなのだ」と告げた「ラフィキ」の言葉により、シンバはプライドランドへ戻る決心を固めます。
そして、スカーと対決するべく、全土を見渡せるプライドロックの上に立ち、この地で生きるすべての動物たちのためにシンバは力の限り、
吠えた―。
愛を育み、子供に託して、世界をつなぐよ~
結末は、映画を観た誰もが知っている「ハッピー・エバー・アフター」な展開で、このブレイブ・ストーリーは熱狂の渦の中で幕を下ろします。
総評
余韻を味わいながら、一筆したためます
本作品の根幹を成す「サークル・オブ・ライフ」という概念。
生命の連環を意味するこのワードは、古より続く永く永いストーリーの中で「今」を生きるものたちのあり方や尊さを考えさせてくれると同時に、常に「死と隣り合わせ」なのだという、生きとし生けるものたちすべてに問いかけられた「メメント・モリ(※)」のような意味合いも持っているのではないか、と私には感じられました。
補足(※)
メメント・モリ(memento mori):ラテン語で「死を忘ることなかれ」を意味する言葉。「いつか必ず自分が死ぬことを忘れるな」ということを戒めた警句。
だからこそ「生きている時間」はかけがえのないもの
ラフィキがシンバに語った「お前のなかに生きている」という台詞をテーマとしたミュージックナンバーのひとつ『He Lives in You』は、個人的に一番好きな楽曲です。
残された者、これから生きていかなくてはならない者にとって、人生を愛おしく、人生に希望を見出すためのきっかけとなるような、しんみりと心に染み入る素晴らしい曲だと思っています。
劇団四季の役者さんによる歌唱はもちろんのこと「TRF(※)」が歌うバージョンのこの曲も私は気に入っています。
補足(※)
TRF(ティー・アール・エフ):小室哲哉プロデュースによって1993年にデビューした、男女5人組(DJ KOO/SAM/ETSU/YU-KI/CHIHARU)のダンス&ボーカルユニット。『HE LIVES IN YOU』は、TRFの25枚目のシングルとしてavex traxより発売。
舞台上では ” 浅利慶太イズム ” が息づいています
今回、演じられた役者さんについて、少し、ご紹介させていただきます。
ミステリアスな中にもおどけた親近感が見え隠れし、その一方、すべてを包み込む母性のような温かさも感じられるところが ” ラフィキ ” の魅力です。そんな、七変化のような演技を見事に演じられていらっしゃったのは、私の好きな役者さんのひとりでもある「青山弥生さん」。彼女の演技を直に観ることができ、喜び一入でした。
ヤングシンバ役およびヤングナラ役(小泉伊生さん/千坂凛さん)のお二人も、伸びやかな歌声を披露。台詞も一音一音、聞き取りやすい発声をされていて、一音をも落とすこともありませんでした。これからの将来が恐ろしいほど、可能性に満ちた素晴らしい子役のお二人です。
成長したナラ役の「中原詩乃さん」は、芯の通った美しさ、シンバ役の「山下泰明さん」は、観客を含め、劇場をひとつにするほどの圧倒的な演技と力強いボイスを見せつけてくれました。
改めて『ライオンキング』の素晴らしさを知りました
心を揺さぶる、劇団四季のミュージカル『ライオンキング』。
本作品で演じられたすべての役者の皆様、アンサンブルの方々、パーカッションのお二人、ステージを彩ってくれた技術や衣装、小&大道具を担当された方々には、私の心の中に光り輝く熱い思いを届けてくれたことに、心より感謝の気持ちを伝えたいと思います。
公演グッズについて
有明限定のアイテムもありますよ~
劇場にある売店では『ライオンキング』の公演を記念し、限定グッズや最新アイテムなど、バラエティ豊かに販売しています。
生きとし生けるもの、すべてに響く ” いのち ” の物語
新劇場は ” たてがみ ” や ” 王冠 ” を彷彿させるデザインですね
今回は、劇団四季のミュージカル『ライオンキング』についての体験レポートをお届けしました。
前回私が『ライオンキング』を観劇してから、実に7年もの歳月が経っていました。劇場が変わったことだけでなく、演出も台詞も所々変わっていたため、まるで初めて訪れた時のような真新しい気持ちで楽しむことができました。まさかの『アナ雪』とのコラボレーションには、思わず、笑ってしまいましたが(笑)。
常に進化していく劇団四季のミュージカル。本作品のコンセプト「サークル・オブ・ライフ」の如く、決して途切れることのない ” 歴史 ” をこれからも紡いでいくことでしょう。