待望の ” アナ雪 ” のミュージカルが開幕しました!
この記事について
今回は、劇団四季の最新ミュージカル『アナと雪の女王』についてご紹介したいと思います。舞台版の「ストーリーライン」や映画版との「相違点」はもちろんのこと、劇場の「混雑状況」や「公演グッズ&限定アイテム」など、観劇する前に知っておきたい情報や楽しみ方のポイントについて、臨場感たっぷりの ” 観劇レポート ” と共にお届けいたします。
あの姉妹の物語が、今、始まる…
ミュージカル『アナと雪の女王(Frozen)』は、2013年公開の同名長編アニメーションを基に舞台化されたディズニーの演劇作品です。日本においては、2021年6月24日より「劇団四季(※)」が本作品を演じています。
補足(※)
劇団四季(げきだんしき):演出家「浅利慶太」らが中心となって創設した日本を代表する劇団。浅利氏がプロデュースする「劇団四季オリジナルミュージカル」や「ストレートプレイ」の他、ブロードウェイやディズニーといった商業演劇なども、数多く上演している。
基本情報
【東京公演】アナと雪の女王(Frozen)
- 所要時間:約2時間30分(1幕:70分/休憩:20分/2幕:55分)
- 劇 場:JR東日本四季劇場「春」(浜松町/竹芝)
- 期 間:2021年6月24日~ ※ ロングラン上演。
場所について(Google マップ)
※ 情報は2021年7月時点のものです。
アナ雪について
ミュージカルの本場、ブロードウェイにて初演
ミュージカル『アナと雪の女王』は、2018年3月、ニューヨークのブロードウェイにて初上演されました。
映画版でも監督を務めた「ジェニファー・リー」が本作品を創作。舞台化にあたり、心情描写や台詞、キャラクターの造形に至るまで、より繊細に、より丁寧に作り込んだと言います。
楽曲は『レット・イット・ゴー(Let It Go)』を手掛け、アカデミー賞も受賞している「ロペス夫妻(ロバート・ロペスとクリステン・アンダーソン)」が担当。映画で用いられたオリジナル曲の他、本ミュージカル用に、新たに12曲追加されたとのこと。
混雑状況について
案の定、チケットは争奪戦に
チケット販売状況など
待望の超大作ミュージカルということもあり、数ヶ月先までは、満員御礼状態となっているようです。但し、前売券が終了となっていても、キャンセル等により、前日予約や当日券を販売する場合もあるとのこと。
四季の会員はお得がいっぱいです
四季の会員であれば、一般の発売日より早くチケットを購入することも可能です。
最新の公演スケジュール、チケットの購入に関しては【こちら】から。
座席料金について
公演日によって料金が異なっています。料金は「バリュー」<「レギュラー」<「ピーク」の順に高額となっていき、座席のエリア(S1/S2/A1/A2/B/C)によっても、価格は変わります。
参考(消費税(10%)を含む)
- 一般:ピーク(S1):¥13,750
- 一般:レギュラー(S1):¥12,650
- 一般:バリュー(S1):¥11,550
- 一般:バリュー(C):¥3,300
※ S2/A1/A2シートには子ども料金設定あり(対象:3歳以上小学校6年生以下)。
※ エリアコースの方は会員割引は無し。
※ 座席図は【こちら】から。
体験レポート
果たして、あの ” 姉妹 ” の結末や如何に
それでは、劇団四季のミュージカル『アナと雪の女王』について、詳しくご紹介していきたいと思います。
外観/入場について
徒歩で「浜松町」からは6分、「竹芝」からは3分ほど
2020年に落成した新たな「四季劇場 ” 春 ”」にて ” アナ雪 ” は上演されています。
JR東日本が運営する複合施設「ウォーターズ竹芝(WATERS takeshiba)」のシアター棟内に新劇場はあります。本施設は「春」の他、四季劇場「秋」と「自由劇場」の計3つのシアターを所有しています。
劇場の外にあるテラスからの眺めも素晴らしい
シアターの他、アトレ竹芝といった商業施設やホテルもあります。遠方から来られる方々にも嬉しい施設ですね。観劇前や観劇後にお食事やお茶を楽しめるのも◎
「ザ・ブリッジ」以来、約半年ぶりに「春」に訪れました
元々『アナと雪の女王』は、四季劇場「春」のこけら落とし公演となる予定でしたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、公演は延期に。こけら落としの演目も『劇団四季 The Bridge ~歌の架け橋~』へと変更となりました。
四季劇場「春」のエントランス
シアター入場の際、事前購入済のチケットの二次元コードをエントランスに設置されているスキャナーにかざして中へと入ります。
劇団四季の感染対策について
観る側もしっかり守って楽しみたい
劇団四季の感染対策は徹底されています。
- マスク着用のお願い
- 手洗い/手指消毒の徹底
はもちろんのこと、
- 入場時の検温
- ショップや化粧室などの列における、ソーシャル・ディスタンスの確保
- グッズのオンライン購入推奨
など、感染拡大防止の対策に対し、真摯に取り組まれていらっしゃいます。
熱が37.5℃以上ある方は入場不可となっています
座席そのものは満席のため、現時点において間隔を空けることはできないのですが、会話の自粛を促すアナウンスを頻繁に行ったり、歌唱の禁止、連絡先を登録したり、といった対策が取られていました。
再開直後の東京ディズニーランド(2020年7月)
ここまでの徹底具合は、東京ディズニーリゾート(オリエンタルランド)の対策に共通するものを感じます。やはり ” 本物 ” を提供する方々というのは、得てして、ひとつ上ゆく対応をされるものなんですよね。
座席&注意事項
アナ雪は ” お気に入りの場所 ” で観たい
今回は待望の ” アナ雪 ” ということもあり、私のお気に入りの席のひとつ「2階席の1列目」にて観劇いたしました。全体を見渡すことができ、作品の世界観やライブ感を味わうには最適な場所なので、こちらのシートを選んで観ることが多いです。
マナーを守って観劇しましょう
但し、この席で観る方は、少し注意が必要です。上の画像にもあるとおり ” 前傾姿勢 ” になると視界を妨げてしまうため、周りの観客の方々にご迷惑をかけてしまいます。
故、2階1列目のシートでは、姿勢正しく観劇するようにしましょう(笑)。
目覚ましも鳴らさないように(笑)
また、劇場内において写真や動画の撮影、録音は一切禁止となっています。これは法に基づくものです。劇が始まる前には携帯電話の電源を切り、マスク着用で静かに観劇しましょう。これらの基本的なマナーをしっかりと遵守し、皆で ” 四季 ” の公演を楽しみたいですね。
客層について
キョウ、ボクハ「劇団四季」ノ ” デビュー ” ヲ、果タシマシタ!
あくまで肌感となりますが、普段の演目と比べ、客層が若干、若め(お子様含む)だったように感じます。
本作品は ” 話題作 ” ということもあり、ディズニーや四季のファンのみならず、より幅広い層で支持されているのでしょう。
もしかしたら、今回が ” 四季デビュー ” という方も、きっと大勢いらっしゃったのではないでしょうか。
さあ、” アナと雪の女王 ” の世界へ!
すでに頭の中では ” レリゴー ” が流れています(笑)
ミュージカル『アナと雪の女王』は「1幕」と「2幕」の ” 2部構成 ” となっています。
基本的には映画版に即したストーリーラインとなっていますが、一部、展開が異なるシーン、追加およびカットされた場面が存在します。
それでは、本ミュージカルの詳細について「1幕(前半)」と「2幕(後半)」に分けてご紹介していきたいと思います。
1幕(前半)
ミュージカルの前半部分は「エルサ」と「アナ」の子供時代から始まり、戴冠式を経て、エルサが雪山へと逃げ、” 雪の女王 ” が誕生するまでのストーリーが描かれています。
エピソード 0(ゼロ)~ 雪だるまつくろう ~
わかったよ…
アレンデール王国の王女である「エルサ」と「アナ」。この仲の良い姉妹の無邪気な子供時代から物語の幕は上がります。
二人の幼少期のエピソードは、映画版と比べ、少し長めに尺が取られているようでしたが、エルサの魔力の出現や彼女が徐々に心を閉ざしていく姿、アナが感じている寂しさなどが、より分かりやすい心情描写で紡がれていたように思います。
ヤングエルサ役およびヤングアナ役(桑原愛佳さん/三上さくらさん)のお二人も、あどけない演技を披露。大人顔負けの歌唱力の高さで観客を魅了します。
雪の女王 ~ レット・イット・ゴー ~
この日、生まれて初めて「アナ」がやらかします(笑)
歳月が過ぎ、エルサもアナも成長。戴冠式を迎えたこの日、エルサは晴れてアレンデールの女王に。
しかしながら、アナの唐突な「ハンス」との ” 結婚宣言 ” に驚き、感情をあらわにしたエルサは、王国を氷の世界へと変えてしまいます。
怪物扱いされた「エルサ」は城を去ることに…
山男の「クリストフ」演じる「神永東吾さん」は、2013年に劇団四季のミュージカル『ジーザス・クライスト・スーパースター』を観て以来、個人的にファンとなった俳優さんのひとりです。演技や歌唱の秀逸さはもちろんのこと、神永さんには、パッと光り輝く ” オーラ ” が感じられます。さすが ” ジーザス ” を演じられた方だけのことはありますね。
クリストフは将来的にアナの ” パートナー ” となるポジションでもあるので、やはり、神永さんレベルのイケメンさんでないと(笑)。
それなら、僕はさしずめ「ハンス」ってとこかなっ!
クリストフの相棒、トナカイの「スヴェン(役:川野翔さん)」は、映画版のような ” おとぼけ顔 ” ではなく、より本物のトナカイに近い風貌となっていました(笑)。耳をぴくぴくさせることで感情を表現。映画の時よりも健気さが伝わり、愛くるしさが更に増したように思います。ミュージカル版のスヴェンくんの方が、私は断然気に入っています(笑)。
砂で出来た ” オラフ ” が登場(カリフォルニアのディズニーランドにて)
雪だるまの「オラフ(役:山田充人さん)」は、想像以上に ” オラフ ” でした(笑)。「春が好き」だと言う純粋無垢な彼のセリフからは、公演劇場でもある ” 四季劇場「春」” へのリスペクトのようにも感じました。
ザット・パーフェクト・ガール・イズ・ゴーン
そして、” 雪の女王 ” となった「エルサ」の登場。孤独を受け入れ、一人きりで生きていく決意表明的楽曲「レット・イット・ゴー」を、前半のハイライトとして、エルサ役「三井莉穂さん」が熱唱します。
降り始めた雪は~
三井さんの繊細かつ心揺さぶる歌唱力により会場はひとつに。「静」から「動」へとダイナミックに移り変わる演奏も鳥肌レベル。そして、雪の女王が足を踏み出すたびに、ステージが凍っていくという、映画さながらの臨場感のあるエフェクト。
ここはもう氷の宮殿そのもの。圧倒的な没入感。
只々、茫然とする、私たち…。
もう凄すぎて、何が何だか分からなくなってしまったぜ…
「少しも寒くないわ ―」
の後、暗転。
本シーンの後、休憩時間(約20分)へと入ります。
周りが明るくなった途端、場内には、ざわめきにも似た歓声が響き渡りました。感動の渦というのはこういうことなんですね。
ミュージカルの前半で、すでに「カタルシス」を得られます(笑)。
2幕(後半)
ミュージカルの後半部分は「エルサ」と「アナ」の再会。そして「ハンス」の裏切り。凍りつく「アナ」と作品の核心部分にあたる、姉妹の ” 真実の愛 ” について描かれています。
再会 ~ ヒュッゲ ~
第二幕はあの ” 商売人の小屋 ” の場面から始まります
アナ一行は、エルサを探しにノースマウンテンへ。姉妹は再会を果たし、エルサの魔法の真実を知ることに。アナは姉の秘密を受け入れたものの、王国が氷の世界となっていることに当惑し、感情を抑えきれなくなったエルサは、再び、アナ(心臓)を傷つけてしまうことに。
凍りついた心は暖炉の熱では解けません…
映画版では、エルサが生んだ巨大な雪のモンスター「マシュマロウ(Marshmallow)」が、アナたちを追い返すシーンがありますが、ミュージカル版ではその部分はカットされています。
また、サウナ付き山小屋の主人「オーケン」の登場シーンでは、サウナの常連客が歌とダンスでコミカルな演技を披露する場面が追加されました(アキラ100%的な、ヒヤッとさせる一幕も!?)。
ちなみに、本シーンで歌われている『ヒュッゲ(Hygge)』は、新曲の中でも、ひと際人気の高い1曲となっているようです。
真実の愛 ~ トゥルー・ラヴ ~
アレンデールは荒れんでーる
アナを助けることができるのは ” 真実の愛 ” だけだと言う「隠れびと」の助言の下、クリストフは徐々に凍りついていくアナを「ハンス(役:杉浦洸さん)」の元へ。
しかしながら、ハンスの本心は…。そうです。映画で明らかにされたとおりです。
死刑を宣告されたエルサを護るため、身を挺し、盾となった「アナ(役:三平果歩さん)」は完全に氷の彫像に。「こうならないように今まで生きてきたのに」と、大粒の涙を流しながら泣き崩れるエルサ。
ところが…
なんだかんだで、この姉妹は ” 最強 ” ですね
結末は、映画を観た誰もが知っている「ハッピー・エバー・アフター」な展開で、この美しいストーリーは静かに幕を下ろします。
深い悲しみと後悔に絶望するエルサの姿には、本当に胸が締め付けられます。自分以上に他の誰かのことを大切に想えることが ” 真実の愛 ” だ、と伝えたオラフの言葉の中に、すべての雪解けの ” カギ ” が隠されていたのですね。
逆説的かもしれませんが、本当の愛情というものは、哀しみや絶望の中で初めて気付くものなのかもしれません。
総評
余韻を味わいながら、一筆したためます
映画版は言うまでもなく素晴らしい作品ではありますが、ミュージカル版はさらにストーリーやキャラクターの設定がブラッシュアップされ、より深みや奥行きを感じさせる作品に仕上がっていたと感じました。
最前列では ” 楽団 ” の様子もよく見えます(マジェスティック・シアター)
ディズニー作品を題材としていますが、全体的な構成や演出、演奏、楽曲のアレンジなどは、ABBAの『マンマ・ミーア』または『ロボット・イン・ザ・ガーデン』に近い印象を受けました。格調高いクラシカルな要素というよりは、ポップ・カルチャーや最新鋭の技術を織り交ぜながら完成させた ” エンタメ性 ” の高い作品だったように思います。
また、N.Y.(ブロードウェイ)の「マジェスティック・シアター(※)」ばりの粋な生演奏もとても素敵な演出でした。
補足(※)
マジェスティック・シアター:マンハッタンのミッドタウンにあるブロードウェイ最大の劇場のひとつ。ミュージカル『オペラ座の怪人』を上演するシアターとしても広く知られている。
また、氷の質感やエルサの魔法の表現、オラフが自在(!?)に動き回るギミックなど、くすっと笑えるものも含め、技巧や舞台装置に至っても、存分に楽しませていただきました。
舞台上では ” 浅利慶太イズム ” が息づいています
そして、役者さんたちによる、唯一無二の崇高な演技力。
一音をも落とすことのない、四季の俳優さんだからこそ、エルサの気高さも、アナのエルサに対する一途な愛情も、観客の ” 心 ” に届けることができるのだと思います。
すべての役者さんの表現、表情、歌唱に至るまで、” リアル ” そして ” 繊細 ” な演技の一つひとつに、本当に、本当に心が揺さぶられました。
すべての方の ” 力 ” があってこその感動です
アナとエルサの姉妹の愛が輝く、ミュージカル『アナと雪の女王』。
本作品で演じられたすべての役者の皆様、アンサンブルの方々、ステージを彩ってくれた技術や衣装、小&大道具を担当された方々には、私の心の中に光り輝く熱い思いを届けてくれたことに、心より感謝の気持ちを伝えたいと思います。
アナ雪グッズについて
レア・アイテムもありますよ~
劇場にある売店では『アナと雪の女王』の公演を記念し、限定グッズや最新アイテムなど、バラエティ豊かに販売しています。
大人にこそ観てもらいたい、美しい二人のストーリー
テラスから、小さな「エルサ」と「アナ」の姿が見えました
今回は、劇団四季のミュージカル『アナと雪の女王』についての体験レポートをお届けしました。
奇しくも観劇した日は、関東の梅雨明け翌日(すなわち、夏の第1日目)だったこともあり、夏が大好きな ” イケメン(!?)な雪だるま ” も心なしか喜んでいたように見えました(笑)。カーテンコールで登場した、ハッピ姿の「オラフ」も可愛かったです。
今は自由に歌唱することができず、とても残念ですが、いつの日か、四季のキャストの皆さんや劇場に来られた方々と「Let It Go」を歌える日が来ることを心から楽しみにしています。