このお城が、美しい ” ものがたり ” の舞台となっています
この記事について
今回は、東京ディズニーランドの新アトラクション「美女と野獣 “ 魔法のものがたり ”」についてご紹介したいと思います。「混雑状況」や「攻略方法」はもちろんのこと、新システム「エントリー受付」や「抽選のコツ」など、体験する前に知っておきたい情報や楽しみ方のポイントについて、臨場感たっぷりの ” 体験レポート ” と共にお届けいたします。
ダンス・ホールはこのアトラクションのハイライトです
美女と野獣 ” 魔法のものがたり ”(Enchanted Tale of Beauty and the Beast)は、ファンタジーランドを拡張して誕生した新エリア「ニューファンタジーランド」に導入された大型アトラクションです。その名のとおり『美女と野獣』のストーリーを、ティーカップ型のライドに乗ってめぐる、という内容となっています。
アトラクションのデータ
美女と野獣 “ 魔法のものがたり ”(Enchanted Tale of Beauty and the Beast)
- 所要時間:約8分
- アトラクションタイプ:トラックレス・ダークライド(ファミリー向け)
- エリア:ファンタジーランド(東京ディズニーランド)
- 開始日:2020年9月28日
- 混雑状況:不明 ※ 現在は抽選によって管理されています。
- ファストパス:〇 ※ 現在はお休み中です。
- スタンバイパス:✕
- エントリー受付:〇
- シングルライダー:〇 ※ 現在はお休み中です。
ニューファンタジーランドについて
モーリスのコテージやガストンのレストランもあります
2020年9月にグランドオープンした「ニューファンタジーランド」は、主に、ディズニー映画『美女と野獣』の世界に没入できるエリアとなっています。そこには「ベル」や「モーリス」が暮らす村の様子はもちろんのこと、人里離れた「野獣」の棲む城など、映画に登場する建物やスポットが再現されています。
オープンが待ち遠しいですね
その他「ファンタジーランド・フォレストシアター」という、本格的な屋内型のシアター施設がこちらのエリアに導入される予定となっています。
※ 本施設にて公演が予定されている「ミッキーのマジカルミュージックワールド」は、開催が未定となっております。
映画『美女と野獣』について
不朽の名作『美女と野獣』の世界へ
アトラクションの背景となっている『美女と野獣(Beauty and the Beast)』は、アニメ版(1991年)と実写版(2017年)の2形態で公開されているディズニー映画です。
果たして ” 真実の愛 ” は見つけられるのでしょうか…!?
読書好きで、夢見がちな美しい村娘の「ベル(Belle)」と、己の醜い心のため、魔女によって恐ろしい ” 野獣 ” の姿へと変えられてしまった「アダム王子(Prince Adam)」が、この作品の主人公。
魔女が置いていった ” 一輪のバラ ” の花びらが散る前に、王子が「真実の愛」を見つけなければ、二度と野獣の姿から逃れられないというストーリーとなっています。
作品を彩る名曲の数々
「強いぞ、ガストン」も素敵な楽曲です(笑)
世界的ディーバ「セリーヌ・ディオン(Celine Dion)」と米国のR&Bシンガー「ピーボ・ブライソン(Peabo Bryson)」の美しい歌声が織りなす『ビューティー・アンド・ザ・ビースト(Beauty and the Beast)』をはじめ、ベルの伸びやかな歌声が印象的な『朝の風景(Belle)』、お城の晩餐会で披露される軽快なリズムが楽しい『ひとりぼっちの晩餐会(Be Our Guest)』など、名曲の数々が本作品に彩りを添えています。
混雑状況について
現在は「エントリー受付」による管理となっています
待ち時間/混雑する時間帯など
新システム「エントリー受付」が導入されたことにより、当アトラクションは混雑が回避されています。
エントリー受付とは、抽選によるアトラクションの入場予約制度のことです。公式アプリ(東京ディズニーリゾート・アプリ)にてエントリー(希望の時間に申込み)し、抽選に当たったゲストのみアトラクションを体験することができるというシステムとなっています。
アプリのダウンロードは【こちら】から
指定された時間は、アトラクションの ” エントランス ” へ入場できる時間となっています。体験できる時間ではないのでご注意ください。指定の時間からアトラクションを体験できるまでの待ち時間は、およそ10~15分といったところでしょうか。ファストパスより、入場可能時間の枠が短くなっているので、その点にもご注意ください。
ファストパスには対応しているの?
ファストパスの対象となっているアトラクションです。※ 但し、現在「ディズニー・ファストパス」はお休みしています。
シングルライダーには対応しているの?
シングルライダーの対象となっているアトラクションです。※ 但し、現在「シングルライダー」の運営はお休みしています。
体験レポート
エントランスに掲げられた「美女と野獣」のプレート
それでは、東京ディズニーランドの新アトラクション「美女と野獣 “ 魔法のものがたり ”」について、詳しくご紹介していきたいと思います。
外観について
この美しくも寂しげな城の中には、野獣と化した王子が...
ニューファンタジーランドのランドマークとも言える「美女と野獣の城(Beauty and the Beast Castle)」が、このアトラクションの舞台となっています。森の奥にひっそりとそびえるこのお城の中には、魔女により野獣の姿へと変えられてしまった王子が、一人、孤独に暮らしています。
石橋を渡ってお城へ向かいます
欄干近くの電灯には可愛らしい「魔除け」なども
こちらからお城の内部へ
エントランスの先には、対を成す「獅子」と「猛禽類」がお出迎え
内部はどうなっているの?
ヴェルサイユ宮殿を彷彿させるような内観
いよいよお城の内部へ。美しいシャンデリアやタペストリー、中世の鎧像などが飾られている廊下をゆっくりと通り抜けていきます。
今にも動き出しそうな銀の鎧
お城の内部は全体的に薄暗く、ディズニーシーの「タワー・オブ・テラー」や、パリ版のホーンテッド・マンションと称される「ファントム・マナー」と酷似した不気味な雰囲気が漂っています。
このグルーミーな空間は、絶望により心を閉ざしてしまった王子の心そのものを表しているのでしょう。
温かな「ポット夫人」の笑顔に癒されます
Qラインでは「ルミエール」「コグスワース」「ポット夫人」「チップ」、といったおなじみのキャラクターとも会えます。随所にギミックが隠されているので、お見逃しのないように。
プレショーがあります
向かって左のバルコニーには「ベル」、右側には「野獣」が登場します
本編が始まる前に、まず、プレショーを観賞します。詳しい内容はネタバレとなるため割愛させていただきますが、王子が野獣となってしまった経緯やベルと野獣の出会いという、作品の核心に触れる重要なシーンが再現されています。
己の醜さに苦悩する野獣の姿と、不気味なお城へ迷い込んでしまったベルの心細い表情がとても印象的です。
ふたりの出会いは決してロマンティックでもバラ色でもなかったことは、このプレショーにて一目瞭然です。
Qラインについて
Qラインは任意で選択可能です
プレショーの部屋には出口が3ヶ所(左/真ん中/右)あり、Qラインも3つに分かれています。列ごとにディスプレイされているオブジェや演出が異なっているため、並んだレーンによって楽しみ方が変わります。
ちなみに、左の列では「ポット夫人とチップ」、右の列では「野獣(+ルミエール&コグスワース)」の会話を聴くことのできるスポットが設けられています。真ん中の列は両方のシーンを観ることはできますが、共に離れた位置から観賞することになるため、会話の内容は若干、聴き取りにくくなります。左右どちらかのレーンに並ばれた方が、より楽しめるでしょう。
ライドは ” 魔法のカップ ” 型
カップそのものも揺れる仕組みとなっています
ゲストはユニークな ” 魔法のカップ型 ” ライドに乗ってアトラクションを体験します。ルート上にレールの無いトラックレス・タイプのライドなので、予測不可能な動きを楽しめます。
意外と大容量です(笑)
ひとつのカップにつき定員は10名(前列4名+後列6名/1ライド)。3台で1編成となっています。1回のアトラクション体験につき、2編成分、同時に稼働するため、キャパシティはMAXで60名です。
さあ、” 美女と野獣 ” の世界へ!
美女と野獣 “ 魔法のものがたり ” は、主に、4つのシーン(セクション)で構成されています。「プーさんのハニーハント(TDL)」と同様に、場面ごとに区切られた部屋を順番に回っていくことで、映画『美女と野獣』の世界観を味わえる、という趣旨となっています。
それでは、本アトラクションの詳細について「前半」と「後半」に分けてご紹介していきたいと思います。
本編(前半)
アトラクションの前半部分は、映画でも印象深い「晩餐会」のシーンから、「ベル」と「野獣」の ” 心の交流 ” までのストーリーをメインに描かれています。
ひとりぼっちの晩餐会
” 愛しのマドモアゼル ” にもちょっぴり笑顔が
最初に通される部屋は、蝋燭の形をしたキャラクター「ルミエール」がホストする晩餐会の会場です。
彼は、不安でいっぱいのベルに「もうひとりぼっちではないよ」と慰めるかのように、名曲「ひとりぼっちの晩餐会(Be Our Guest)」を歌い始めます。
その曲に合わせ、まるで踊っているかのように魔法のカップ型ライドは変幻自在に動き回り、音楽とシンクロしながら会場は華やかにライトアップされます。食卓には、お城のキッチンが腕によりをかけて作ったであろう美味しそうな料理やお酒がたくさん並べられてありますね。
ベルと野獣の心の交流
アダム君は、ホントはいい奴なんですよ~
2つ目は、雪原とお城のバルコニーを舞台に、ベルと野獣の複雑な思いが交錯するシーンとなっています。
見かけは恐ろしい野獣だけれども、不思議と憎めないと吐露するベルと、彼女に対する思いを素直に打ち明けられない野獣。
歯痒く、もどかしい。けれども、切なくて心温まる情景が、繊細に描かれています。
本編(後半)
アトラクションの後半部分は、映画のクライマックスにあたる「野獣狩り」、そして、ふたりの ” 真実の愛 ” について迫る内容をメインに描かれています。
野獣狩り
彫刻家ロダンの ” バルザック ” を彷彿させるポーズの野獣
お互いの心の美しさに惹かれ合いながら、ふたりの距離は少しずつ近づいていきます。王子が愛することを学び、そのお返しに愛されるようになるまであと少し、というところで「ガストン」は村の人々を率いて野獣狩りを決行。
ルミエールやポット夫人たちは、侵入者による奇襲攻撃に立ち向かうも、野獣はガストンの手によってナイフで刺され、瀕死の状態に。
キラキラキラキラ~
「お願い、私を置いていかないで。愛しているわ」
と泣き崩れるベルの口から「愛している」という言葉がこぼれた瞬間、魔女によってかけられていた呪いが解け、野獣はみるみる美しい王子の姿へ。
ダンス・ホールにて見つめあう2人
美女とイケメンが目の前に(笑)
映画の主題歌でもある『ビューティー・アンド・ザ・ビースト(美女と野獣)』をBGMに、お城のダンス・ホールにて、見つめ合いながら踊るベルと王子の姿がこのアトラクションのラストシーンとなっています。
これまで薄暗かったお城の内部もパッと明るくなり、魔法によって食器や調度品に姿を変えられていた召使いたちも、すっかりと人間の姿へ元通りに。
ふたりの “ ものがたり ” も幸せな結末を迎えます
お城の外にはバラをモチーフとしたエンブレムも
真実の愛を見つけ、幸せに包まれたふたりを見届けながら、この美しいストーリーは静かに幕を下ろします。ライドの降車場にはふたりのシンボルでもある「バラ」の花が咲いています。残り香のような、ベルと王子の愛の余韻を感じながら、お城をあとに。
” 美女と野獣 ” のライドを楽しめるのはTDLだけ
ん?デジャヴ?このシーンは ” フィルハーなんちゃら ” でも…
美女と野獣 “ 魔法のものがたり ” は、映画『美女と野獣』を題材としたライド・アトラクションとしては「世界初」となっています。
同作に関連する施設としては、本家「ディズニーランド(カリフォルニア)」の「ロイヤル・シアター(Storytelling at Royal Theatre)」や「ウォルト・ディズニー・ワールド(フロリダ)」の「エンチャンテッド・テール・ウィズ・ベル(Enchanted Tales with Belle)」「美女と野獣:ライブ・オン・ステージ(Beauty and the Beast - Live on Stage)」などが挙げられますが、共に ” シアター ” または ” グリーティング施設 ” という位置付けになっているため、本格的な「ビジョヤジュ」のアトラクションは、TDL版が ” お初 ” なのです。
故、今後はTDLの「魔法のものがたり」を目指して、世界各国からの集客が見込めると思われます。『美女と野獣』をメイン・テーマとしている「ニューファンタジーランド」との相乗効果もあり、将来的にはインバウンドの起爆剤としても期待できるでしょう。
さあ、美女と野獣の世界へ!
不気味だったお城も、体験後は心なしか嬉しそうに見えます
今回は、東京ディズニーランドのアトラクション「美女と野獣 “ 魔法のものがたり ”」についての体験レポートをお届けしました。
本アトラクションを有する「ニューファンタジーランド」の存在が、より一層、” 魔法のものがたり ” の世界に深みや味わいを引き出しているのではないかと感じました。良い意味で「この世界へ迷い込んでしまった」という感覚が芽生えることで、より『美女と野獣』の世界観を魅力たっぷりに味わえるのではないか、とも思います。
また、唯一無二のアトラクションを導入できたことは、東京ディズニーランドにとっての強味となることでしょう。これからも沢山のゲストを笑顔にできるような素晴らしいアトラクションのオープンを心から楽しみにしています。