
映画の ” 裏側 ” を覗けます
この記事について
今回は、ウォルト・ディズニー・スタジオのアトラクション「スタジオ・トラムツアー:ビハインド・ザ・マジック」についてご紹介したいと思います。「混雑状況」や「攻略方法」はもちろんのこと、アトラクションの「背景」や「トリビア」など、体験する前に知っておきたい情報や楽しみ方のポイントについて、臨場感たっぷりの ” 体験レポート ” と共にお届けいたします。

” カタストロフィー・キャニオン ” は本アトラクションのハイライト
スタジオ・トラムツアー:ビハインド・ザ・マジック(Studio Tram Tour:Behind the Magic)は、映画のセットや舞台裏(バックロット)をトラム型ライドに乗って見学するという、映画をコンセプトとする「ウォルト・ディズニー・スタジオ」に相応しいアトラクションのひとつです。ツアー中、迫力満点の ” 特殊効果 ” を2種類、体験できます。
アトラクションのデータ
スタジオ・トラムツアー(Studio Tram Tour:Behind the Magic)
- 所要時間:約20分
- アトラクションタイプ:トラムツアー(ファミリー向け)
- エリア:プロダクション・コートヤード(ウォルト・ディズニー・スタジオ)
- 開始日:2002年3月16日~2020年1月5日
- 混雑状況:★★★☆☆
- ファストパス:✕
- シングルライダー:✕
追記
本アトラクションは「2020年1月5日」を以って、閉鎖されました。詳細は後述参照。
パリにしかないアトラクションです
ウォルト・ディズニー・スタジオの「スタジオ・トラムツアー」と同タイプのアトラクションは、他のディズニーパークには導入されていません。世界で唯一、パリにしかない貴重な存在であることから、ディズニーランド・パリ訪問の際は、是非、体験していただきたいアトラクションのひとつとなっています。
プロトタイプは ” フロリダ版 ” のトラムツアー
かつてウォルト・ディズニー・ワールド(フロリダ)の「ディズニー・MGM・スタジオ(現:ディズニー・ハリウッド・スタジオ)」には「スタジオ・バックロット・ツアー(Studio Backlot Tour)」という、映画の裏側を見学する ” ツアー型 ” のアトラクションが存在していました。
内容や演出、展開は若干異なるものの、そのアトラクションがパリのスタジオ・トラムツアーの ” 原型 ” となっています。
大変な人気を誇るアトラクションのひとつではありましたが、残念ながらフロリダ版のトラムツアーは、2014年9月27日を以って、クローズしています。
閉鎖の理由は、新テーマランド「スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ(Star Wars: Galaxy's Edge)」と「トイ・ストーリー・ランド(Toy Story Land)」の開発に必要な土地を確保するため、とのこと。
混雑状況について

思いの外、待ち時間は長め
待ち時間/混雑する時間帯など
待ち時間の目安としては、平日、休日を問わず15~30分程度といったところでしょうか。
但し、これはあくまで ” 公式アプリ ” 上における表記であり、実際の待ち時間とは乖離しているため、注意が必要です。私たちも20分待ちの時間帯に並んだのですが、結果、1時間ほど待つこととなりました。
故、このアトラクションを体験される際は、十分時間に余裕を持った状態で並ばれた方がよろしいかと思われます。
ファストパスには対応しているの?
ファストパスには対応していないアトラクションです。
シングルライダーには対応しているの?
シングルライダーには対応していないアトラクションです。
体験レポート

果たして舞台裏にはどんな ” 魔法 ” が隠されているのだろうか
それでは、ウォルト・ディズニー・スタジオのアトラクション「スタジオ・トラムツアー:ビハインド・ザ・マジック」について、詳しくご紹介していきたいと思います。
外観について

どっしりとした存在感のあるエントランス
エントランスは「ハリウッド大通り(Hollywood Boulevard)」の突き当たりにあります。いかにも ” ハリウッド ” の映画スタジオを彷彿させるような、堂々とした門構えとなっています。
背後に見える山々も舞台セットの一部です。
Qラインについて

待機の時間は周りの様子も要チェック
エントランスの中へと入ると、Qラインが右と左の2列に分かれています。トラム前方への乗車を希望する場合は右、後方を希望する場合は左のレーンを進みます。
私たちは、前方トラムのレーンに並んだのですが、進みが非常に遅いことが気になりました。乗り場の様子をよく見ると...。
何ということでしょう。キャストさんが、後方トラムに並んでいたゲストを前方トラムに乗せているではありませんか。
理由は謎です。これは ” フランスあるある ” ということにしておきましょう。
このような受難により、20分待ち(待ち時間表記上)が1時間越え(実際の待ち時間)となってしまいました…。
ライドは ” トラム ” 型

トラムの運転は大変そうですね…
ゲストはビビッドなオレンジ色をした ” トラム型 ” のライドに乗ってアトラクションを体験します。ひとつのトラムにつき定員は168名(4両編成)。屋根もシックな黄色で、まるで缶で出来たお菓子の箱のような、可愛らしい見た目となっています。
おすすめの席はどこ??

やっぱり、良い席でしっかり見学したいものです
上述のとおり、本アトラクションにて観賞できる特殊効果は2つあります。左右にそれぞれにセクションが振り分けられています。
左側
- カタストロフィー・キャニオン
右側
- 廃墟(ロンドンの街並み)
私たちは「「カタストロフィー・キャニオン」のセクションを楽しみにしていたので、前方のトラムかつ左側の席に乗りました。もし席を選べるのであれば、前から2両目あたりがちょうど真ん中になるので、そのポジションを狙うのもありです。
逆に、2つ目の特殊効果(廃墟)を体験する場合は反対側となってしまいます。とはいえ、全く見えない、というほどではないのでご安心を。
乗車される際は、上のリストを参考に、お気に入りの ” 特殊効果 ” をより間近で体験できる側の座席を選んでみてはいかがでしょうか。
さあ、” 映画 ” の舞台裏へ!

クラッパーボードを鳴らすのは一瞬です
車掌さんがツアー出発の合図としてクラッパーボード(カチンコ)を鳴らします。映画撮影さながらの演出です。

ゆっくりとトラムは進んでいきます
出発してしばらくは、道なりに走行します。
その間は主に、道路の両脇に並べられているフィギュア(主に、戦闘機や彫刻、恐竜など)の観賞を楽しみます。

道沿いにあるリアルな戦闘機の模型

翼竜をモチーフとした大きなオブジェなども

これは中生代のワニ「サルコスクス」でしょうか
その他、サモトラケのニケやミロのヴィーナスといった彫刻や彫像、アンキロサウルスの尻尾などもディスプレイされています。トラムは特殊効果の1つ目を終えた後、行きとは向きを変えて同じ道を通るため、反対側のオブジェも間近で見ることができます。
特殊効果 ①:カタストロフィー・キャニオン

静寂に包まれた峡谷。これから何が起こるのか…
こちらは「カタストロフィー・キャニオン(Catastrophe Canyon)」と呼ばれる、地震や火事、風雨や洪水といった ” カタストロフィー(大規模災害)” を体験できるセクションです。
峡谷へ到着すると、トラムは一旦、停止。
しばらくすると、霧雨が降り、ゴロゴロと雷鳴が響き渡ります。
その後、大きな地震が起こり、トラムがグラグラと上下左右に揺さぶられます。

アッ!アァーッ!!
地震が続く中、ガソリンのような匂いが辺りに立ち込めます。それからまもなくして、目の前のタンクローリーが引火!間近に迫る炎の熱を肌に感じます。
炎が周りに広がったかと思うと、今度は不気味な地鳴りと共に、峡谷の間から大量の水が流れ込み、辺り一面、水浸しに。

ザババババ~
水かさはどんどん増え、とうとうトラムの上からも洪水が流れ込んできます。これでもかというくらいの水量に驚かされます。水圧で、目の前のタンクローリーも押し流され、トラムに向かってずれ落ちます。

さっきまでのあれはいったい何だったのだろうか…(呆然)
洪水が終わり、水が引くと、何事もなかったかのようにトラムはゆっくりと進み始めます。
特殊効果の1つ目にあたる「カタストロフィー・キャニオン」の ” 大災害エフェクト ” は、このアトラクションのハイライトにもなっています。
特殊効果 ②:廃墟

ロンドンの街並みも、よく再現されています
2つ目のセクションでは、映画『サラマンダー(原題:Reign of Fire)』の舞台にもなっている、廃墟と化した「ロンドン」の街並みが再現されています。

火竜によってロンドンはメチャメチャに...
荒廃した街並みは、巨大な竜 ” サラマンダー ” によって破壊されてしまったものです。辺りには何かが焼き焦げたような匂いや油の香りも漂っています。
こちらのセクションでは、不気味な声(サラマンダーの鳴き声)とシンクロして、勢いよく炎が上がるという、” 大火災 ” エフェクトを楽しむことができます。それなりに迫力は感じられるのですが、カタストロフィー・キャニオンの方が強烈なインパクトがあった分、こちらでの演出は若干、肩透かし感が否めません(笑)。
そして、トラムはステーションへ…

ツアーはあっという間に終わってしまいます
ロンドンのセットを後にし、映画で使われた車(パトカーやタクシー、RCカーなど)のコレクションの横を通り過ぎると、もう、トラムの乗り場が見えてきます。
映画の舞台裏で繰り広げられた数々のマジックの余韻を残しながら、バックロットのツアーは静かに終わりを迎えます。
パリ版の ” トラムツアー ” はリニューアルされます

今度は僕が主役さ!
ウォルト・ディズニー・スタジオのスタジオ・トラムツアーに用いられていた場所は、新たに誕生する ” スター・ウォーズ ” と ” フローズン ” をテーマとしたエリアの開発のため、敷地の大部分が閉鎖されています。
それに伴い、本アトラクションは「2020年1月5日」を以って、クローズとなりました。
しかしながら、特殊効果の1つ目にあたる「カタストロフィー・キャニオン」は保持されるようで、このセクションを再利用する形で、新たなアトラクションの導入が予定されています。
それは「カーズ・ルート 66(Cars Route 66)」というアトラクションで、ディズニー映画(ピクサー作品)『カーズ(Cars)』の主人公「ライトニング・マックィーン(Lightning McQueen)」と共にルート66を横断する ” ロード・トリップ ” をテーマとした内容となっているようです。
新エリアのオープンはもとより、生まれ変わった ” スタジオ・トラムツアー ” も楽しみですね。
これぞ映画をテーマにしたアトラクション!!

一度は体験していただきたいアトラクションです
今回は、ウォルト・ディズニー・スタジオのアトラクション「スタジオ・トラムツアー」についての体験レポートをお届けしました。
子供の頃にフロリダの「スタジオ・バックロット・ツアー」をテレビで観て、いつの日か体験してみたいと思っていたのですが、結局、乗らず仕舞いでそのままクローズとなってしまいました。とても残念でしたが、パリにて念願のスタジオ・トラムツアーに参加することができ、その思いを果たすことができました。
とりわけ「カタストロフィー・キャニオン」での特殊効果は本当に迫力満点です。この興奮は、他のアトラクションではなかなか味わえません。
アトラクションの情報を全く知らない状態でトラムに乗車した相方くんも、
こ、こ、これは乗る価値がある~(小声)
と、大いに楽しんでいるようでした(笑)。
映画の ” 裏側 ” を見学できるという、パークのコンセプトを最も忠実に具現化したアトラクションです。この魅力あふれる ” トラムツアー ” を、是非、パリで体験してみてはいかがでしょうか。