
アドベンチャーランドの奥地に潜んでいます
インディ・ジョーンズ:テンプル・オブ・ぺリル(Indiana Jones et le Temple du Péril)は古代の遺跡をトロッコで駆け抜ける、ローラーコースタータイプのアトラクションです。360度回転するループを特徴としています。
この記事の目次
レイジング・スピリッツの原型がパリにあった!
実はこのアトラクション、東京ディズニーシーにある「レイジング・スピリッツ(Raging Spirits)」のオリジナルなのです。360度のループと聞いて、ピンと来た方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ディズニーランド・パリの開園から1年後の1993年にオープンしています。2005年オープンのレイジングより12年も前からあるアトラクションなんですね。

レイジング・スピリッツはパリ版インディにインスパイアされてつくられました
パリのインディが何故、コースタータイプなのかというと…
日本でインディ・ジョーンズというと、アナハイムと同様、EMV(Enhanced motion vehicle)仕様の「クリスタル・スカル(TDS)」を真っ先に思い浮かべますが、パリではコースタータイプを採用したようです。その理由は、EMVタイプのアトラクションを製造するだけの費用捻出が難しかったから、とのこと。スペース・マウンテンの記事でもふれましたが、90年代のユーロ・ディズニーは財政的にかなり苦戦を強いられていたようですね。
EMVとは
EMV(Enhanced motion vehicle)とは、ウォルト・ディズニー・イマジニアリングが開発したライド・システムのこと。EMVを車両に組み込むことにより悪路走行を再現できる。
アトラクションのデータ
インディ・ジョーンズ(Indiana Jones et le Temple du Péril)
- 所要時間:1分30秒
- 長さ:600m
- 最高時速:58km
- アトラクションタイプ:ローラーコースター(ビッグ・スリル)
- エリア:アドベンチャーランド(ディズニーランド・パリ)
- 開始日:1993年7月30日
- ファストパス:〇
- シングルライダー:✕
混雑状況など
待ち時間、混む時間帯など
午前中は空いています(5~15分)。お昼を越えると少しずつ混雑し始め、13~14時頃にピーク(ワールド・オブ・ディズニー調べ)を迎えるようです。土日の昼下がりには100分~になることも。

Qラインも午前中のうちはガラガラです
ファストパスやシングルライダーには対応しているの?
ファストパスには対応していますが、シングルライダーは非対応です。私たちが訪問した時は、常時5~15分待ちだったので、ファストパスは終日発券していませんでした。

ファストパス発券機はエントランス付近のテントの中にあります
体験レポート
外観について
アドベンチャーランドの最奥地に位置するアトラクションです。ジャングルが生い茂ったそのエリアに、ひっそりと謎の古代遺跡が眠っています。秘境度数はディズニーシーよりも高めです(笑)

パリ版も蛇が守り神のようです
遺跡の階段の両脇には蛇の像(ケツァルコアトルス!?)が配置されています。その構図は、おそらくチチェン・イッツア(マヤ文明の遺跡)のククルカン神殿をモチーフにしているのでしょう。神の怒りにふれ、レールが360度に捻じ曲げられてしまったというレイジングとはテーマを異にすることから、神殿の佇まいもまた別の装いをしています。
内部はどうなっているの?ライドは?

Qライン沿いにはベース・キャンプの跡や錆びついたジープなど、探検隊が足を踏み入れた形跡が残っています。まるでジャングル・クルーズの ”陸側” を歩いているような感じです。

階段を上ったり、下りたりしながらしばらく歩いていくと、古代の神殿が見えてきます。神殿の先からは悲鳴が聞こえてきます。ガタガタと不気味な音や振動も伝わってきます。ここまで来ると、ローディング・ステーション(乗り場)まではあと少しです。
レイジング・スピリッツとは進行方向が反対です

ローディング・ステーションの様子。回転率はかなり良い
ライドはTDSのレイジング・スピリッツと同じくトロッコ型。2人席3列分の2両編成。ハーネスもあります。シート内は小ぢんまりとしていて、少し窮屈です。
準備が整ったらスタートしますが、進行方向はレイジング・スピリッツと反対です。巻き上げ後の最高部はパークの外側が見えるコースになっています(のぼり切った後にアラビアン・コースト(パーク側)が一望できるレイジングとは真逆のレイアウトです)。パークの外側にもジャングルが広がっているので、本当に秘境の中を探検しているような気分になります。
インタミン製のコースターです
世界的に有名なローラーコースター設計・製造会社のひとつ、インタミン社(Intamin AG)製のコースターです。日本では東京ドームシティにある「サンダー・ドルフィン」などが同社製のコースターとしては有名です。インタミンのコースターはレールの形が特徴的ですよね。

考古学者、ヘンリー・ウォルトン博士と共に遺跡探検に出発!
ワイルドな乗り心地。ループもエグい…
ガタガタと振動が激しく、乗り心地はあまり良くありません。一言でいうとワイルド…!?もっと言ってしまえば、雑…な動きです(笑)
説明が難しいのですが、レイジング君がスルっとスムーズにループするのに対し、だいぶ年長なインディ先輩は力業で無理矢理回転させているような感じ、というか…(笑)
レイジングに何度も乗っている人なら、体感的な違いは確実に分かると思います!
乗り心地の悪さもご愛嬌!パリのローラーコースターたち
ディズニーランド・パリのインディは2014年に大規模改修を行ったようです。その際「コース内容が変更される」との憶測が飛び交ったそうですが、結局、変わらず以前と同じレイアウトに。より安全に、よりスムーズな動きになるよう改築された、とのことですが、正直、その「進化」はあまり感じられませんでした(笑)
インディに限らず、ビッグサンダー・マウンテンもロックン・ローラー・コースターもパリ版は乗り心地が荒々しいです。この感覚がパリではスタンダードなのかもしれません…。

ナイトVer.も秘境度アップで楽しめそう
インディには初日、5分待ちの時に連続して乗りました。TDSやアナハイムのようなEMVタイプも良いのですが、トロッコ型コースターで古代遺跡を暴走するパリ版も、よりインディ・ジョーンズっぽい雰囲気が感じられて、個人的には気に入っています。
このアトラクションは2000年に後ろ向きバージョンでオープンしていたこともあったようです。バックドロップからのループとは、かなりエキサイティングなエレメントですね!TDSでも是非、いつの日か導入してもらいたいです。