満を持して、日本にもソアリン誕生!
この記事について
今回は、東京ディズニーシーのアトラクション「ソアリン:ファンタスティック・フライト」についてご紹介したいと思います。「混雑状況」や「攻略方法」はもちろんのこと、海外版との「違い」や「隠れミッキー」など、体験する前に知っておきたい情報や楽しみ方のポイントについて、臨場感たっぷりの ” 体験レポート ” と共にお届けいたします。
ドリームフライヤーに乗って壮大な空の旅へ
ソアリン:ファンタスティック・フライト(Soaring:Fantastic Flight)は、風や香りを感じながら壮大な空の旅を楽しむことのできるフライト・シミュレーション型のライド・アトラクションです。
TDS版は、飛行の研究に人生を捧げた女性「カメリア・ファルコ」の人生を背景とするアトラクションとなっており、彼女の発明のひとつでもある「ドリームフライヤー」に乗って世界を旅するというコンセプトとなっています。映像フィルムは上海で初公開された「アラウンド・ザ・ワールド(Soarin' Around the World)」を使用していますが、TDS独自のシーンも追加されています。
アトラクションのデータ
ソアリン:ファンタスティック・フライト(Soaring:Fantastic Flight)
- 所要時間:約5分
- アトラクションタイプ:シミュレーター・ライド(ファミリー向け)
- エリア:メディテレーニアンハーバー(東京ディズニーシー)
- 開始日:2019年7月23日
- 混雑状況:不明 ※ 現在はスタンバイパスによって管理されています。
- ファストパス:〇 ※ 現在はお休み中です。
- スタンバイパス:〇
- エントリー受付:✕
- シングルライダー:✕ ※ 現在はお休み中です。
カメリア・ファルコとは
” 空を飛ぶこと ” に情熱を燃やした女性です
アトラクションの舞台となっている「ファンタスティック・フライト・ミュージアム」では、飛行の研究に人生を捧げた女性「カメリア・ファルコ(1801-1875)」の生誕100周年特別展が開催されています。
カメリアは、幼い頃より ” 空を飛ぶこと ” に強い関心を持っていました。彼女は熱気球で世界中を旅するなど、冒険家としての一面もあったようです。
父はファンタスティック・フライト・ミュージアムの初代館長でもある「チェッリーノ・ファルコ」。彼の後を受け継ぎ、カメリアが2代目館長に就任したのは1850年のこと。その翌年には「S.E.A.(探検家・冒険家学会)」初の女性会員として認められています。
S.E.A.(探検家・冒険家学会)とは
S.E.A.(Society of Explorers and Adventurers)とは、探検家や冒険家など、新しい知識を探求し続ける人々が集う学会のこと。研究成果を世に広める活動なども行っています。歴代の名誉会員には「レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)」や「フェルディナンド・マゼラン(Ferdinand Magellan)」など、名立たる人物たちも在籍していました。
S.E.A. の本拠地 ” フォートレス・エクスプロレーション ”
カメリアの功績として最たるものは、やはり「ドリームフライヤー」の存在ではないでしょうか。仲間と共に開発したと言われる翼を有するこの乗り物は、” 空を飛ぶ ” という彼女の夢を初めて具現化したものだと言えるでしょう。
今回の特別展では「ドリームフライヤー」も公開しています
このような輝かしい経歴と功績を残したカメリア・ファルコ。74歳でその生涯を閉じるまで、” 空を飛ぶ ” という夢に、強い情熱を注いだ女性だったのです。
混雑状況について
早朝にFPを取得しても、乗れるのは夕方なんてことも…
待ち時間/混雑する時間帯など
オープン以前より予想されていたことではありましたが、現在も変わらず圧倒的な人気を誇っています。平日は120~140分程度、休日は200分~くらいが平均といったところでしょうか。混雑状況にムラはなく、常に一定数のゲストで混み合っています。
朝イチの列の最後尾はミステリアスアイランドにまで到達…
ただし、閉園の2~3時間くらい前になると、スタンバイの列が打ち切られてしまうこともあるようです。スタンバイで並ぶことを考えている方はお早め(夕方くらいまで)に。
スタンバイパスの対象アトラクションです
パスの発券中は待ち時間は表示されません
ソアリン:ファンタスティック・フライトには、新システム「スタンバイパス」が導入されています。
スタンバイパスとは、アトラクションのスタンバイ(待機)の列に並ぶための予約制度のことです。
パスは、公式アプリ(東京ディズニーリゾート・アプリ)上で取得します。事前にアプリをスマホ等のデバイスにダウンロード&アカウント登録しておくことで、入園後、アプリでスタンバイパスを取得できるようになります。
アプリのダウンロードは【こちら】から
ファストパスには対応しているの?
アプリと紙の両方でファストパスは取得できます
ファストパスの対象となっているアトラクションです。※ 但し、現在「ディズニー・ファストパス」はお休みしています。
シングルライダーには対応しているの?
シングルライダーには対応していないアトラクションです。※ 現在「シングルライダー」の運営はお休みしています。
体験レポート
エントランスの様子
それでは、東京ディズニーシーのアトラクション「ソアリン:ファンタスティック・フライト」について、詳しくご紹介していきたいと思います。
外観について
青空に美しいドームが映えます
メディテレーニアンハーバーの小高い丘に佇む「ファンタスティック・フライト・ミュージアム」は、淡いブルーのドームを特徴とした建物です。イタリアの各都市のシンボルにもなっている「ドゥオーモ」とよく似た外観となっています。
フォロ・ロマーノの遺跡のようですね
ミュージアムのエントランス周辺には、コリント式の石柱なども立ち並んでいます。ローマの観光スポット ” フォロ・ロマーノ ” の「カストルとポルックス神殿」を彷彿させる景観となっています。
内部はどうなっているの?
120年前の世界へタイム・スリップ
すでにお気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、” カメリア生誕100周年の特別展 ” が開かれているこのミュージアムでは「1901年」という時間が流れています。知らぬ間に我々は「21世紀」から「20世紀」へとタイム・スリップしていたということですね。
もしかしたら、ミュージアムの入り口が異次元空間へのゲートウェイだったのかもしれません。
四季折々の ” ミュージアム ” の姿が描かれています
ミュージアム内部には多数の絵画や図面が飾られています。カメリアや彼女の父親の軌跡をたどる、歴史を感じさせるようなピクチャーばかりです。
インフォーメーション(Informazioni)の様子
ちなみにこちらは「スタンバイ」でしか観賞できないエリアとなっています。待ち時間が短縮されるファストパスも嬉しいですが、興味深い絵画やオブジェをゆっくりと味わえるスタンバイの時間も、なかなか乙なひとときです。
Qラインについて
中央奥の階段がファストパス側のQラインです
Qラインに沿って、飛行の機械や空を飛ぶことに関する絵画&オブジェクトが数多く展示されています。歴史や美術的な観点からも好奇心の刺激される、興味深いコレクションばかりです。
オベリスク/壁画
このヒエログリフには大空への憧憬が刻まれているのでしょうか
ドームの真下には、オベリスクを中心とした円形の部屋があります。そこには、リアルな ” 空飛ぶダンボ ” や ” 鳥人間 ”、” 忍者 ” といったような、少し風変わりな絵が壁一面に飾られています。
リアル版 ” フライング・エレファント ”(笑)
” SHINOBI ”
これらの絵画は ” 空を飛ぶ ” ということにインスピレーションを得て描かれたものとなっています。S.E.A.の会員の中には芸術家もいらっしゃいますから、その中の誰かが描いたピクチャーも飾られているのかもしれませんね。
写楽やダ・ヴィンチの航空機モデルなども!?
” SHARAKU ”
写楽の代表作『三代目大谷鬼次の江戸兵衛』が描かれた巨大な凧や魔法の絨毯の欠片、飛行の研究に関する資料や模型、フィギュアなども個性豊かに展示されています。
空を自由に飛びたいな~(笑)
こちらは有名な「空圧ネジ」ですね。イタリアを代表する芸術家「レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)」による発明です。らせん状のプロペラが回転することで上昇するというアイディアを形にした模型で、ヘリコプターの原型ともいわれています。
そういえば、昔の『ドラえもん』のオープニング映像にもこの「空圧ネジ」が描かれていましたよね(笑)。
レオ様にはQラインでも会えます
東京ディズニーシーにソアリンがオープンした2019年は奇しくもレオナルドの没後500年にあたるアニバーサリー・イヤーでした。それを記念して、ミラノの「スフォルツェスコ城」では、没後500年記念に「アッセの間」が特別公開されました。
レオナルドの作品「アッセの間」は圧巻でした
もしかしたらレオ様も、草葉の陰で ” TDS版ソアリン ” のオープンを心待ちにしていた一人なのかもしれませんね(笑)。
古生物の化石も展示!
ジュラ紀の森林をスイスイと滑空している姿が目に浮かびます
こちらは「アーケオプテリクス(Archaeopteryx)」の化石。日本では「始祖鳥」の名で親しまれています。恐竜と同じ、中生代(ジュラ紀)に生きた、現生の鳥類に近い生物です。空を飛ぶことを夢見た古生物の代表として、このミュージアムには展示されているのですね。
どことなく木の実が ” ミッキー ” に見えますね
こちらは「ドードー」。絶滅した鳥類(ハトの一種)です。ペンギンと同様、飛べない鳥としても有名ですが、この子たちはパタパタと小さな翼を一生懸命、羽ばたかせながら木の実を食べていますね。愛くるしい表情にも癒されます。
プレショーがあります
この先に待つ書斎でカメリアの夢が語られます
アトラクションを体験する前に、まず、プレショーを観賞します。ショーはカメリアの肖像画が中央に配置された書斎にて行われます(シアターごとにショーの内容が若干異なります)。
カメリアの良き相棒 ” アレッタ ”(イタリア語で「小さな翼」の意)
肖像画のカメリア、そして彼女の相棒、ハヤブサの「アレッタ」に命が吹き込まれると、彼女はゆっくりと少女時代の夢を語り出します。
「私は幼い頃から、鳥のように空を飛ぶことが夢だった」
瞳をキラキラさせながらそう話す彼女は、まさに少女そのものでした。
彼女は「最初に飛ばした紙飛行機が空高く舞い上がった時、その夢を多くの人と分かち合いたいと思った」とも語っています。
柔らかくも、強い情熱を秘めた口調で話すカメリア。そんな一途な「思い」と純粋な「瞳」を持った彼女だったからこそ、74歳でこの世を去るまで、生涯 ” 空を飛ぶ ” という夢を抱き続けることができたのではないでしょうか。
彼女の理想は「鳥そのもの」だったのかもしれませんね
ちなみにプレショーが行われるこの書斎にも、興味深い絵画や研究資料が数多くディスプレイされています。
参考:翼竜について(アメリカ自然史博物館で行われた「翼竜展」より)
個人的には、書斎の扉近くにあった「原住民」と「翼竜(プテロサウルス)」が共存している絵画が印象的でした(もしかしたらあれは ” 翼竜 ” ではなく、アフリカの伝説の「UMA(※)」” オリテアウ(コンガマトー)” なのかもしれませんが…)。
補足(※)
UMA:未確認生物のこと。ネッシーやビッグフット、ツチノコなどが有名。
待機室にて
プレショーが終わると、乗り場のひとつ手前にあるA~Cの待機室(TERRAZZA:テラスの意)へと案内されます。ソアリンはライドが3つ(左/右/中央)にセパレートされているため、待機場所が3ヶ所に分かれています。
- TERRAZZA「A」:R(右サイド)
- TERRAZZA「B」:中央
- TERRAZZA「C」:L(左サイド)
待機室の壁には、これから飛行するスポットのイメージ画が描かれています。その中には、イタリアの巨匠「ボッティチェッリ(Sandro Botticelli)」とよく似たタッチで描かれた「ゼピュロス(風神)」の姿も見えます。
ボッティチェッリの代表作『ビーナスの誕生』(ウフィッツィ美術館)
左上でヒューっと風を吹いている訝しげな顔の彼がゼピュロスくんです。もしかしたら「ドリームフライヤー」の動力源はこの ” 西洋版の風神様 ” なのかもしれませんね(笑)。
ライドは ” ハンググライダー ” 型
ライドの様子。乗っている間は足はブラブラ…(写真は上海版)
ゲストはクラシカルな ” ハンググライダー型 ” ライドに乗ってアトラクションを体験します。ひとつのシアターにつき定員は87名。2シアターで稼働しているため、キャパシティはMAXで174名となっています。
どこに座るのがおすすめ??
最前列の真ん中の席からの眺め(写真はカリフォルニア版)
結論から言うと、中央ライド(待機室B)前列(Aレーン)の真ん中シート(端から6番目)がベスポジです。シアタースクリーンが半円形という特質上、左右共に端に行けば行くほど、映像に歪みが生じます。ど真ん中とは言わないまでも、できる限り中央寄りの座席に座りたいものです。
また、前列(Aレーン)が一番高い位置にまで上昇します。頭上にゲストの「脚」が見えることもないので、やはり最前列が ” 特等席 ” ということになりますね。
まもなく、テイクオフ
世界一周旅行をドリームフライヤーと共に
永い、永いスタンバイに耐え、ようやくその苦労が報われる瞬間がやってきました。
しっかりとシートベルトを装着。キャノピー(庇)が下がると、豪華な音楽と共に、目の前の半円形のスクリーンに向かってライドは高く持ち上げられ、ドリームフライヤーはバルコニーから大空へ。
雲を抜けると、壮大で爽やかな空の旅が始まります。
圧倒的な臨場感と映像美
マッターホルンを間近で!
アトラクションの体験中に上映されているフィルムは ” 世界一周 ” をテーマとした「アラウンド・ザ・ワールド(Soarin' Around the World)」が用いられています。美しい映像と共に、浮遊感、風、匂いを感じながら、世界6大陸の遺跡や大自然をめぐります。
ライドフィルムの内容
- マッターホルン(スイス)
- フィヨルド(デンマーク(グリーンランド))
- シドニー・ハーバー(オーストラリア)
- ノイシュヴァンシュタイン城(ドイツ)
- キリマンジャロ国立公園(タンザニア)
- 万里の長城(中国)
- ギザの大ピラミッド(エジプト)
- タージ・マハル(インド)
- モニュメントバレー(USA(アリゾナ州))
- ラウ島(フィジー)
- イグアスの滝(アルゼンチン)
- 東京の夜景(日本)★
- 東京ディズニーシー上空(日本)★
※ ★は東京ディズニーシー版のみ。
特別映像が追加されています
TDS上空のシーンではプロメテウスの火口も見えます(笑)
TDS版のライドフィルムは、ラストに東京およびTDS上空のシーンが追加された ” 特別映像 ” となっています。夕焼けをバックにした富士山や東京タワーなどを観賞することができ、その完成度の高さと美しさには、つい「天晴」と言いたくなります。
壮大な空の旅も終わりを迎えます
ファンタスティック・フライト・ミュージアムから飛び立った「ドリームフライヤー」は、再び、東京ディズニーシーのメディテレーニアンハーバーへ。
鮮やかな花火に包まれながら、時空を超えた約5分間の空の旅も静かに終わりを迎えます。
海外版との違いについて
世界初のソアリンはカリフォルニアに誕生しました
ソアリン(Soarin'/Soaring)は、東京ディズニーシー以外に、ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー(カリフォルニア)、エプコット(フロリダ)、上海ディズニーランド・パーク(上海)といったディズニーパークに導入されています。
ディズニーパークごとに独自のテーマを持っています
アトラクションに用いられているベースのライドフィルムは共通していますが、ラストシーンが各々、異なっています。また、TDS版は「東京上空」の映像が追加されている代わりに、オリジナルのフィルムから完全にカットされている部分があります。
パリは私もお気に入りのシーンです
それは「パリ」の夜景シーンです。オリジナルのライドフィルムでは「東京上空」の代わりに「エッフェル塔(シャンパン・フラッシュ)」の映像を観ることができます。アトラクションの所要時間は決まっているため、TDS版では泣く泣く差し替えざるを得なかったのでしょう。
隠れミッキーを探してみよう
待ち時間も気が抜けません(笑)
Qライン(スタンバイ側)には、レオナルド・ダ・ヴィンチやモンゴルフィエ兄弟と言った、偉人たちの肖像画が飾られているのですが、その絵の中にミッキーが隠れているのをご存知でしょうか??
比較的分かりやすいのが、レオナルドの肖像画近くにある、こちらの隠れミッキー。
もはや隠れてはいないですね(笑)
それでは、こちらのミッキーはどこにあるか分かりますか??とても小さいので見逃してしまうかもしれませんね。
後輪に注目!
ミュージアムの見取り図にもミッキーが隠れています。ソアリン最大の隠れミッキーはもしかして ” ミュージアム ” そのものなのかもしれません(笑)。
オベリスクのある部屋は見覚えのあるあのカタチ!?
その他にも、ミュージアム内の絵画や展示品、そして、なんと ” ライドフィルム ” 内にも隠れミッキーが存在しています。
ぜひソアリン体験の際は、隠れミッキー探しにも挑戦してみてはいかがでしょうか。
ミュージアムを堪能するなら、是非、スタンバイで!
オベリスクもスタンバイ側の方がよく見えます
今回は、東京ディズニーシーのアトラクション「ソアリン:ファンタスティック・フライト」についての体験レポートをお届けしました。
この記事でご紹介した内容は、スタンバイ側でしか見ることのできないものばかりです。連日の大混雑、ファストパスの争奪戦など、何かと話題の絶えないモンスター級のアトラクションではありますが、ぜひ一度、スタンバイの列にも並び、この魅力あふれるミュージアムを堪能してみてはいかがでしょうか。