思っている以上に、濡れます
この記事について
今回は、上海ディズニーランド・パークのアトラクション「ロアリング・ラピッド」についてご紹介したいと思います。「混雑状況」や「攻略方法」はもちろんのこと、アトラクションの「背景」や「トリビア」など、体験する前に知っておきたい情報や楽しみ方のポイントについて、臨場感たっぷりの ” 体験レポート ” と共にお届けいたします。
ひと味違った ” スリル ” を体験できます
ロアリング・ラピッド(Roaring Rapids)は、リバー・ラピッド型と呼ばれるシミュレーション・ライドのひとつで、” 急流下り ” を体験できるスリリングなアトラクションです。ずぶ濡れになりながら、アドベンチャー・アイルの名峰「ロアリング・マウンテン」の激流を、猛スピードで一気に下っていきます。
アトラクションのデータ
ロアリング・ラピッド(Roaring Rapids)
- 所要時間:約4分
- アトラクションタイプ:リバー・ラピッド・ライド(ビッグ・スリル)
- エリア:アドベンチャー・アイル(上海ディズニーランド・パーク)
- 開始日:2016年6月16日
- 混雑状況:★★★★☆
- ファストパス:〇
- シングルライダー:✕
- プレミア・アクセス:〇
上海以外でこのアトラクションを楽しめるパークは??
上海ディズニーランド・パークの「ロアリング・ラピッド」と同タイプのアトラクションは、以下のディズニーパークにも導入されています。
- ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー(カリフォルニア)
- グリズリー・リバー・ラン(Grizzly River Run)
- ディズニー・アニマル・キングダム(フロリダ)
- カリ・リバー・ラピッド(Kali River Rapids)
アルボリ族の ” 伝説 ” を背景としています
頂より水が流れ落ちるロアリング・マウンテン
聖山「ロアリング・マウンテン(Roaring Mountain)」をシンボルとするアドベンチャー・アイル(冒険島)には「アルボリ(Arbori)」という古代部族が暮らしているとのこと。
この山を崇拝の対象としていた彼らは、未来永劫、山頂より流れる滝の水が決して枯れることのないよう、その場所に棲むと伝えられるモンスター ” クロック(Q'araq)” に「水の守護神(Guardian of the Waters)」の称号を与えたと言われています。
アルボリ伝説の守護神 ” クロック ” の石像
その後、悠久の時を経て、この古代部族の ” 伝説 ” は真実であるのか、それとも空想に過ぎないのか、それを探るべく、冒険家チーム「リーグ・オブ・アドベンチャラーズ(the League of Adventurers)」が発足。
アルボリ族の ” 謎 ” を突き止めるため、彼らと共に探検へと出発する、というストーリーが、本アトラクションの背景となっています。
キャンプ・ディスカバリーは彼らの本拠地です
ちなみに、ロアリング・ラピッドの「ロアリング(roaring)」とは ” 唸り声 ” を意味する言葉です。オノマトペで表現すると「ガォ~」と言った感じでしょうか。
クロックの可愛らしい鳴き声が、本アトラクションの名称となったというわけですね。
どうも ” ロアリング ” というと、米国の人気アーティスト「ケイティ・ペリー(Katy Perry)」の楽曲『Roar』を思い出してしまいます(笑)。
来日公演でも圧倒的なパフォーマンスで『Roar』を熱唱
クロックもケイティの如く、自分の ” 信念 ” を守るべく、今日もアルボリ族の聖地で「Roar(吠えて)」いるようです。
混雑状況について
狙うは朝イチ!一番乗り出来ることも
待ち時間/混雑する時間帯など
パーク内において、比較的、待ち時間の長いアトラクションのひとつとなっています。
待機時間の目安としては、平日は60~90分、休日で~120分程度といったところでしょうか。混雑日には180分を越えることも。
終日、一定数のゲストで混雑しています。ライドへの乗降に時間を要するため、回転率もあまり良いとは言えません。どうしてもスタンバイで並ぶ場合には、朝イチ一択となっているようです。
上海と言えども、冬は5℃以下に…
水に濡れるタイプのアトラクションであるため、季節ごとの混雑状況にも差が生じています。夏場は平均120分前後の待ち時間であるのに対し、冬季は10分程度で乗れることも。
また、アーリー・パーク・エントリー(早朝優先入場)の時間帯にも稼働しているため、各種プライオリティ制度を、適宜利用するのも◎
ファストパスには対応しているの?
FPを上手く利用して必ず乗りたい
ファストパスの対象となっているアトラクションです。
ロアリング・ラピッドは大変人気が高く、ファストパスの発券はすぐ(多くの場合「お昼前後」には)終了してしまいます。
故、早めかつ計画的に取得されることをおすすめします。
シングルライダーには対応しているの?
シングルライダーには対応していないアトラクションです。
プレミア・アクセスには対応しているの?
ロアリング・ラピッドは「プレミア・アクセス」に対応しています。混雑日でも安心ですね。
体験レポート
今回の訪問では計4回体験してきました
それでは、上海ディズニーランド・パークのアトラクション「ロアリング・ラピッド」について、詳しくご紹介していきたいと思います。
外観について
アルボリ族の聖なる山
古より、アルボリ族によって崇められてきた「ロアリング・マウンテン」。現地の言葉で ” 山頂 ” を意味する「アプ・タク(Apu Taku)」からは、勢いよく滝が流れ落ちています。
至る所で蒸気が噴出しています
近くには ” 間欠泉 ” が見られることから、この聖山は ” 活火山 ” なのかもしれません。硫黄による変色具合も、よく再現されていますね。
Qラインについて
皆さま ” ポンチョ ” を着込んで臨戦態勢に
建物内には、探検やキャンプの設営に用いる道具や工具、ランプやヘルメット、木箱などがディスプレイされています。どこか「ジャングル・クルーズ」や「レイジング・スピリッツ」を彷彿させる、秘境ムードも漂わせています。
ライドは ” ラフティング・ボート ” 型
ゲストはライドの中心を向いて座ります
ゲストは円形の ” ラフティング・ボート(いかだ)型 ” ライドに乗ってアトラクションを体験します。ひとつのライドにつき定員は8名。衝突を吸収するため、本体はゴム製の輪でラバーリングされています。
おすすめの席はどこ??
乗る度に新たな体験を味わえます
ロアリング・ラピッドは、ボートそのものがグルングルンとスピンしながら進んで行くため、基本的にどの席に座っても、同じように楽しむことができます。
しかしながら、乗る度に水の「濡れ方」が変わったり、後ろ向きの状態の時に ” ビッグ・ドロップ ” にあたると、よりスリルを感じられたり、など、タイミングや進行方向の違いによって「体感」が変わってくるため、できれば複数回トライして楽しみたいところです。
さあ、” アルボリ族 ” の聖地へ!
ステーションの様子
ステーション(乗降場)は ” ターンテーブル型 ” になっています。キャストさんの指示に従い、指定のライドへと乗り込みます。
緩めのベルトをしっかりと締め、身体を固定し、ライド中央にあるサークル状のバーを握って、しばし出発を待ちます。
ガタガタガタガタ…
ステーションからリリースされたボートは、のんびりと揺られながら、しばらく道なりに水路を進んでいきます。
その後、目の前に現れた巨大な巻き上げリフト(木製のコンベア)によって上流へと運ばれます。
ここから眺める ” 夜景 ” も美しいです
余裕のある方は巻き上げ時、是非、後ろを振り返ってみてください。そこは上海ディズニーランド・パークを一望できる、とても眺めの良いスポットになっています。
倒木により、運命の流れが変わる…
水路の先には倒木が…
上流へと到着。
ゆっくりと川下りが始まると思いきや、私たちは ” 衝撃の事実 ” を目の当たりに。視線の先には、なんと、行く手を阻む ” 巨木 ” が倒れているではありませんか!
我々に与えられた選択肢は ” 車線変更 ” のみ。これは「正規ルート」から外れることを意味しています。
そしてそれは、荒れ狂う激流に飲み込まれてしまうという「運命」の始まりでもあったのです…。
巨大な ” モンスター ” に襲われる
唸り声が響く洞窟内へ…
非正規ルートを進んでゆくボートは、ロアリング・マウンテンの内部へ。
洞窟内には、恐ろしい ” 唸り声 ” が轟いています。奥へと進むと、そこには巨大なモンスターが待ち構えていました。
その正体は、アルボリ族が崇め奉る ” 水の守護神(Guardian of the Waters)” こと「クロック(Q'araq)」でした。
ボクハ、ミテハイケナイモノヲ、ミテシマッタラシイ…
その名の如く、容姿は「クロコダイル(Crocodile)」とよく似ています。
とはいえ、ナイルワニやイリエワニといった、現生のクロコダイル科のワニとは比べものにならないほど巨大です。
全長は15メートルほどでしょうか。おそらく、恐竜と同じ時代(中生代)に生息していた大型爬虫類「サルコスクス(Sarcosuchus)」の生き残り、またはその末裔だと思われます。吻部の形も考慮すると「カプロスクス(Kaprosuchus)」の近縁種という可能性も考えられます。
時々は洞窟を離れ、近くの湖へ水浴に来ることも(笑)
クロコ神は ” アンインバイテッド・ゲスト(招かざる客)” である我々を、鋭い眼光で睨みつけ、牙を剥き出し、大きな口を開いて襲い掛かってきます。
が、寸でのところでボートは洞窟からの脱出に成功…。
難を逃れます。
激流との闘い
打ち付ける波と水しぶきに我々がなす術はなし…
神(クロック)の怒りが収まらないのでしょうか。洞窟を離れても、なお ” 激流 ” は続きます。
ボートは両サイドの淵に体当たりし、その衝撃で大量の水が降りかかってきます。アンバランスな状態で、荒れる波の攻撃を必死に耐えているボートは、いつ転覆してもおかしくありません。
果たして、無事にゴールへと辿り着くことができるのでしょうか…!?
ラストに ” スプラッシュ・ダウン ” が!!
バッシャーン!!
ロアリング・ラピッドのクライマックスには、ダイナミックな ” ドロップ ” が待ち構えています。神の最後の「あがき」と言ったところでしょうか。クロックちゃんも意外と粘着質なところがありますね(笑)。
濡れるのはこれで終わりと思いきや、思わぬところでビシャっと水が掛かってしまうスポットがあります。
最後の最後まで、どうぞご用心ください(笑)。
日本では ” リバー・ラピッド系 ” はレア!?
在りし日の「惑星アクア(in スペースワールド)」
リバー・ラピッド系のアトラクションは、海外では割とメジャーなアトラクションのひとつとなっているのですが、日本国内においては、富士急ハイランドの「ナガシマスカ」や横浜・八景島シーパラダイス「アクア・ライドⅡ」、そして今はなき北九州のスペースワールド「惑星アクア」くらいしか存在しておらず、我々、日本人にとって ” 川下りタイプ ” のライドは、まだまだ珍しい部類のアトラクションだと言えそうです。
DCA版は ” グリズリー(ハイイログマ)” をテーマとしています
ちなみに、上海以外のディズニーパークでは、カリフォルニアおよびフロリダにて「リバー・ラピッド型」のアトラクションが導入されていますが、テーマがそれぞれ異なっているため、楽しみ方は三者三様となっています。
各バージョンの乗り心地を比較してみるというのも一興かもしれませんね。
ずぶ濡れでも楽しい!ロアリング・ラピッド
濡れてナンボのアトラクションです
今回は、上海ディズニーランド・パークのアトラクション「ロアリング・ラピッド」についての体験レポートをお届けしました。
上述のとおり「ロアリング・ラピッド」は、大量の水の攻撃を受けるエキサイティングなアトラクションとなっています。その水量は「スプラッシュ・マウンテン」の比ではありません。激流に加え、ドロップも2ヶ所あります。それなりに ” 対策 ” を取っておかないと、後悔することになるかもしれません(笑)。
とはいえ、ロアリング・ラピッドは ” ずぶ濡れになってナンボ ” のアトラクションです。水濡れ対策を取りつつも ” 爽快な急流下り ” を、是非、上海で体験してみてはいかがでしょうか。