
カナルボートに乗って6つのディズニー作品を旅します
この記事について
今回は、上海ディズニーランド・パークのアトラクション「クリスタル・グロットへの旅」についてご紹介したいと思います。「混雑状況」や「攻略方法」はもちろんのこと、アトラクションの「背景」や「トリビア」など、体験する前に知っておきたい情報や楽しみ方のポイントについて、臨場感たっぷりの ” 体験レポート ” と共にお届けいたします。

ひとつ上ゆく ” 没入感 ” を味わえます
クリスタル・グロットへの旅(Voyage to the Crystal Grotto)は、ファンタジーランドの海をボート型のライドに乗って航海する、クルーズタイプのアトラクションです。『美女と野獣』や『ファンタジア』といったディズニーの映画を再現した6つのセクションと、お城の中に隠された ” 伝説の洞窟 ” をめぐる、幻想的なボヤージュとなっています。
アトラクションのデータ
クリスタル・グロットへの旅(Voyage to the Crystal Grotto)
- 所要時間:約10分
- アトラクションタイプ:フリューム・ダークライド(ファミリー向け)
- エリア:ファンタジーランド(上海ディズニーランド・パーク)
- 開始日:2016年6月16日
- 混雑状況:★★★☆☆
- ファストパス:✕
- シングルライダー:✕
- プレミア・アクセス:〇
上海限定のアトラクションです
上海ディズニーランド・パークの「クリスタル・グロットへの旅」と同タイプのアトラクションは、他のディズニーパークには導入されていません。世界で唯一、上海にしかない貴重な存在であることから、上海ディズニーリゾート訪問の際は、是非、体験していただきたいアトラクションのひとつとなっています。
おとぎの国のカナルボートとは似て非なる…

おとぎの国のカナルボート(カリフォルニア版)
ディズニーのアニメーションの世界をボートでめぐるアトラクションと言えば、真っ先に「おとぎの国のカナルボート (Storybook Land Canal Boats) 」を思い浮かべると思われますが、クリスタル・グロットへの旅は、おとぎの国の~とは異なり、ミニチュアではなく、” 原寸大 ” に近いサイズのフィギュアを用いて、物語の内容を再現しています。
故、より作品の世界へ没入しやすい効果を生み出していると考えられます。
また、各セクションで流れている ” サウンドトラック ” も、クリアな音質かつ高揚感があり、この夢の船旅を盛り上げる粋な演出となっています。
混雑状況について

プレミア・アクセスの対象となっています
待ち時間/混雑する時間帯など
待ち時間の目安としては、平日は30~40分、休日で60分程度といったところでしょうか。
大容量の「ライド・システム」を採用している割に、回転率は低めです。稼働しているライド(ボート)数が制限されていることも、その一因となっているようです。
お昼過ぎより混雑し始め、日暮れ後、緩和される傾向にあります。どうしてもスタンバイで並ぶ場合には、朝イチの他、夕方以降を狙ってみるのも良いでしょう。
ファストパスには対応しているの?
ファストパスには対応していないアトラクションです。
シングルライダーには対応しているの?
シングルライダーには対応していないアトラクションです。
プレミア・アクセスには対応しているの?
クリスタル・グロットへの旅は「プレミア・アクセス」に対応しています。混雑日でも安心ですね。
体験レポート

さあ、幻想的な ” ボヤージュ ” の始まりです
それでは、上海ディズニーランド・パークのアトラクション「クリスタル・グロットへの旅」について、詳しくご紹介していきたいと思います。
外観について

欧州風の佇まい
本アトラクションのエントランスは、ファンタジーランドに相応しい、メルヘンなデザインとなっています。

この一帯は ” おとぎの国 ” そのものです
その向かい側にあるアトラクション「ピーターパン空の旅(Peter Pan’s Flight)」や、ショップ「ミッキー&ミニーのお店(Mickey & Minnie's Mercantile)」等との調和を保ちながら、可愛らしい、おとぎの国の街並みを再現しています。
Qラインについて

待機列には ” お昼前 ” または ” 夕方以降 ”を 狙って並びたい
完全な屋内ではありませんが、内部(屋根の下)にQラインが設けられており、通路を何度も折り返しながら、乗り場へと向かいます。待機列のすべてがゲストで埋め尽くされると、なかなかのカオスを感じます(笑)。
乗り場にて

乗り場(ドック)の様子
しばらく道なりに進んでいくと、ライドの乗り場が見えてきます。
クラシカルな船着き場にてしばし待機。ドックに着いてから、船が出航するまでの時間は「5分」程度でしょうか。
ライドは ” カナルボート ” 型

気品のある ” ロイヤル仕様 ” となっています
ゲストはゴールドや紫を基調とした豪華な ” カナルボート型 ” のライドに乗ってアトラクションを体験します。ひとつのライドにつき定員は24名(+キャスト1名)。見た目の印象は ” おとぎの国のカナルボート ” より「ジャングル・クルーズ」の船の方が近いです。
おすすめの席はどこ??
上述のとおり、本アトラクションにて観賞できるディズニー作品のワンシーンは全部で6つあります。左右にそれぞれ3つずつ分かれており、各セクションの振り分けは、以下のとおりとなっています。
左側
- 美女と野獣
- ファンタジア
- ムーラン
右側
- アラジン
- ラプンツェル
- リトル・マーメイド
私たちは「ラプンツェル」や「リトル・マーメイド」のセクションを楽しみにしていたので、右サイドのシートを選んで乗りました。乗船される際は、上のリストを参考に、お気に入りの作品やシーンをより間近で体験できる側の座席を選んでみてはいかがでしょうか。
さあ、” ディズニー ” の映画の世界へ!

船着き場の様子
クリスタル・グロットへの旅は、大きく「カナル(運河)」と「グロット(洞窟)」という、2つの領域で構成されています。映画のワンシーンを再現したセクションをボートで順にめぐることで、作品の ” 世界観 ” を味わえる、という趣旨となっています。
それでは、本アトラクションの詳細について、ひとつずつご紹介していきたいと思います。
ゾーン ①:カナル(運河)

この先に ” ディズニー ” の世界が待っています
1つ目の領域は「カナル(運河)」です。
こちらは主に、ディズニー作品の ” ワンシーン ” が再現された複数のセクションで構成されており、音楽と連動した華麗な噴水ショーなど、フォトジェニックなスポットで盛り沢山となっています。
各セクションは、以下のとおりです。
01:美女と野獣

見つめ合うふたり。周りには気にも留めずに…
最初のセクションは『美女と野獣(Beauty and the Beast)』です。「ベル(Belle)」と「アダム王子(Prince Adam)」がダンスを踊る、あの名シーンが再現されています。ルミエールやポット夫人、チップなど、お城の住人たちも、その周りで可愛らしくおどけています。BGMには『ひとりぼっちの晩餐会(Be Our Guest)』が流れています。
02:アラジン

はにかむアラジン&本日も絶好調なジーニー
続いて登場するのは『アラジン(Aladdin)』です。彼と親友の「ジーニー」が財宝に囲まれています。BGMに『フレンド・ライク・ミー(Friend Like Me)』が流れていることからも、あの ” 洞窟 ” の中でのシーンを再現したものだと思われます。
03:ファンタジア

とぼけた顔のミッキーマウス
3つ目のセクションでは、ディズニーのマスターピース『ファンタジア(Fantasia)』の「ソーサラー・ミッキー」が登場します。もちろん(!?)あの恐ろしい「ホウキたち」も(笑)。
BGMには偉大なるコンポーザー「ポール・デュカス(Paul Abraham Dukas)」の楽曲『魔法使いの弟子(The Sorcerer's Apprentice)』が流れています。
04:塔の上のラプンツェル

明後日の方を向いているラプンツェル
ロングヘア―が美しいプリンセスのストーリー『塔の上のラプンツェル(Tangled)』のセクションでは、映画で最も印象的&幻想的な ” ランタン ” を空に飛ばすシーンを再現しています。BGMはテーマソング『輝く未来(I See The Light)』。
05:ムーラン

彼女の本当の美しさは内面にこそ秘めています
古代中国の伝説をテーマとしたディズニー映画『ムーラン(Mulan)』のセクションでは、主人公の「ファ・ムーラン」が、自分の ” 内面 ” と向き合う一場面が再現されています。この作品を本アトラクションに採用したことは、上海ディズニーらしい、粋な計らいだと言えますね。映画のハイライトとなっている ” 戦闘シーン ” を選ばなかった理由には、何らかの想いが隠されているのかもしれません。BGMは名曲『リフレクション(Reflection)』。
06:リトル・マーメイド

アコヤガイに腰かけるアリエルと黄色い鯛
最後のセクションにて登場する作品は『リトル・マーメイド(The Little Mermaid)』です。人魚姫「アリエル」をはじめ「フランダー」や「カニチャン・セバスチャン」など、お馴染みの豪華キャラクターたちによる、大団円となっています。
BGMは軽快な『アンダー・ザ・シー(Under the Sea)』と、しっとり系のナンバー『パート・オブ・ユア・ワールド(Part of Your World)』のメドレー形式。

ホレイシオ・フェロニアス・イグナシ…ア…
6つの作品の中で、最も噴水の勢いが感じられるセクションとなっています。やはり、お魚は乾燥に弱いからでしょうか(笑)。
海の上は危険だ、という持論を展開していた「ホレイシオ・フェロニアス・イグナシアス・クラスタシアス・セバスチャン」も、すっかりここでの生活に馴染んだようで、本日も活き活きとタクトを振り回しています(笑)。
ゾーン ②:クリスタル・グロット(洞窟)

水晶の発見こそ、この船旅最大のコンセプト
2つ目の領域は「グロット(洞窟)」です。
クリスタル・グロット(the Crystal Grotto)と名付けられたその洞窟は、エンチャンテッド・ストーリーブック・キャッスル(Enchanted Storybook Castle)の内部に存在し、” 幻の水晶 ” が隠されていると伝えられています。

秘宝の謎に迫る!
洞窟の中へ入ると、これまで観てきたディズニーの作品が、まるで走馬灯のように次々と壁面に映し出されます。この演出は ” プロジェクション・マッピング ” によるもの。TDL版「ジャングル・クルーズ」における、遺跡内部と同様のエフェクトになっています。
ちなみに、城内をライド走行するのは、ディズニー史上、本アトラクションが ” 史上初 ” の試みとのこと。
これはもうひとつの ” ちいさな世界 ”!?

” ちいさな世界 ” は平和であふれています
クリスタル・グロットへの旅は ” 上海オリジナルのアトラクション ” という位置付けとなっていますが、おとぎの国をボートで航行するという意味においては、カリフォルニアやパリのディズニーパークで導入されている「おとぎの国のカナルボート」、プロジェクション・マッピングなどのエフェクト面から考えると、東京ディズニーランドの「ジャングルクルーズ:ワイルドライフ・エクスペディション」と酷似した要素が見受けられることから、本アトラクションはそういった既存の施設を参考に設計されたライドだと考えるのが妥当だと思われます。
しかしながら ” コンセプト ” の部分おいては、それらとは全く別のアトラクションの存在が、クリスタル・グロット~の中には隠れているのではないかと私は考えています。

パオ~ン
そのアトラクションというのは「イッツ・ア・スモールワールド (It's a Small World)」です。
スペース・マウンテンやジャングル・クルーズといった、その他のディズニーのクラシカル・アトラクションと同様に、スモワは「大人の事情」により、上海ディズニーには導入されなかったと言われています。
しかしながら、ディズニーランドのコアとも言えるこの ” 平和の船旅 ” を欠くとなると、上海は ” 魂の抜け殻のようなパーク ” になりかねません。それ故、クリスタル・グロット~には、スモワの代役という重要な任務を担っているのではないかと考えています。
設置されているセクション(作品)を6つに限定したり、そのセクション(世界)をひとつずつめぐってゆくという展開は、6大陸を航海する「イッツ~」のオマージュのようにも感じます。

夢を叶える場所であり続けるために…
とはいえ、時代は流れてゆくものなので、いつの日か上海にも ” スモワ ” が誕生することがあるかもしれません。その日が来るまで「クリスタル・グロット」は、秘めた思いと大役を引き受けながら、今日もまたアニメーションの ” 世界 ” を航海をし続けているのかもしれません。
上海で ” 夢の船旅 ” を堪能しよう

ジョロロロ…
今回は、上海ディズニーランド・パークのアトラクション「クリスタル・グロットへの旅」についての体験レポートをお届けしました。
ディズニー作品の世界をボートで旅する本アトラクションは、まるで幾つものミュージカルやオムニバス映画を次々と見せられているかのような感覚に陥るため、たった一度の航海でも、とても満ち足りた気分になれます。また、ライトアップされ、より幻想的な船旅を味わえる ” ナイト・バージョン ” もおすすめです。
クラシカル、そして、ファンタズミックなディズニー作品に浸れる ” 夢の航海 ” を、是非、上海で体験してみてはいかがでしょうか。