
ディズニーランド・パークの美しい全景を味わうのに最適なアトラクションです
ディズニーランド鉄道(Disneyland Railroad)は蒸気機関車でディズニーランド・パークを一周するアトラクションです。メイン・ストリートUSA、フロンティアランド、ファンタジーランド、ディスカバリーランドの4つのエリアにはそれぞれ停車場(駅)があり、その各駅で乗り降りすることができます。
移動手段としては不向き…
一周約30分。長さは 2,180 mあります。乗車までの待ち時間が長く、半周でも10~15分はかかるため、移動手段には向いていません。歩いた方がパーク内の移動は断然早いです(笑)
全部で4台の蒸気機関車が走っています
パリ版ディズニーランド鉄道の各列車にはアメリカの偉人や伝説にちなんだ名前が付けられています。
★ WF Cody
アメリカ西部開拓時代のガンマン「バッファロー・ビル」の本名「William Frederick Cody(ウィリアム・フレデリック・コディー)」にちなんだもの。
★ CK Holliday
かつてアメリカ合衆国にあった鉄道会社「サンタフェ鉄道(Atchison, Topeka and Santa Fe Railway)」の初代社長「Cyrus K. Holliday(サイラス・ホリデイ)」に由来。
★ G. Washington
初代アメリカ合衆国大統領「George Washington(ジョージ・ワシントン)」に由来。
★ Eureka
ユーレカ (カリフォルニアの都市)にちなんだ名称。
※「Eureka」とはアルキメデスが金を発見した時に叫んだ言葉のこと。ゴールド・ラッシュの時代に現在のユーレカ市で金が発見されたことから、アルキメデスの名言とかけた町名が付けられた。
アトラクションのデータ
ディズニーランド鉄道(Disneyland Railroad)
- 所要時間:30分(一周)
- 長さ:2,180m
- 速度:16km/h
- アトラクションタイプ:蒸気機関車(ファミリー向け)
- エリア:メイン・ストリートUSA、他(ディズニーランド・パリ)
- 開始日:1992年4月12日
- ファストパス:✕
- シングルライダー:✕
混雑状況など

メイン・ストリート駅のエントランス
待ち時間、混む時間帯など
人気アトラクションであるため、常に一定数のゲストで混雑しています。詳細はこちらの記事(「ディズニーランド鉄道(パリ)はどの駅から乗るのがベターか??」)をご参照下さい。
ファストパスやシングルライダーには対応しているの?
ファストパスおよびシングルライダー非対応のアトラクションです。しかしながら、250人キャパの列車が10~15分ごとに出発しているので、比較的、コンスタントな乗車を可能としています。
体験レポート
外観について

駅舎はビクトリア朝の華やかな雰囲気をしています
ディズニーランド鉄道は開園当時からのアトラクションではありますが、オープン当初は「ユーロ・ディズニーランド鉄道(Euro Disneyland Railroad)」という名前で運行(~1994年)されていました。「EDLRR」のイニシャルで親しまれ、今でも駅の周りの装飾や看板にはそのイニシャルが使われており、当時の面影を残しています。
メイン・ストリート駅から出発!
私たちは4つある駅の内、メイン・ストリートUSAにある「メイン・ストリート駅(Main Street Station)」から乗車しました。
通路を進んで乗り場まで進みます

時間帯によってはQラインもガラガラ
昼下がりに乗ったので待ち時間は15分程度。目立った混雑はなく、Qラインをスイスイと進み、乗り場へと向かいます。通路の途中にはフロンティアランド、ファンタジーランド、ディスカバリーランド等の宣伝ポスターが飾られています。

こちらはディスカバリーランドのポスター
バルコニーからの眺めも素晴らしい

タウン・スクエアはもちろん「眠れる森の美女のお城」もばっちりと見えます
メイン・ストリート駅には公共の観覧エリアとして、開放されているバルコニーがあります。素晴らしい景色を眺めながら待つことができるので、乗車までの時間も苦になりません。
ホームに到着

メイン・ストリート駅のホーム
ホームにて、しばし列車が来るのを待ちます。キャストさんのコスチュームもカッコいいですね。ホームに着いてから5分程度で列車は到着します。
汽笛が鳴り、出発進行!

私たちは「G. Washington」に乗車しました
キャストさんの案内に従って乗車。ボーっと汽笛が鳴り響き、ゆっくりと列車が動き出します。ガタゴト揺られながら、パークを一周する旅の始まりです。
内部はどうなっているの?

片側開きのため、秋のフランス旅行でしたが寒くはなかったです
座席は前向きではなく、横向きになっています。パークの内側を見えるようにするためです。この形状によりパリ版のディズニーランド鉄道は「グランド・サークル・ツアー(Grand Circle Tour)」とも呼ばれています。
真っ暗なトンネルに入ると…

パリでグランド・キャニオンが見られるとは(笑)
出発してしばらくすると真っ暗なトンネルの中を通ります。窓の外に目をやると、そこには「グランド・キャニオン」の壮大な景色が広がっています。これは「ウエスタンランド鉄道(TDL)」における、恐竜時代へのタイムスリップと同様の演出です。しかしながらパリにいるのはステゴサウルスやアロサウルスではなく、ピューマやコヨーテ、シカなど北アメリカの野生動物たちです。
あの金鉱山ともご対面

タイミングがよければ間欠泉の吹き出しも観ることができます
トンネルを抜けると、そこはもうフロンティアランド。ゴールド・ラッシュで栄えた街「サンダー・メサ(Thunder Mesa)」が眼下に広がっています。かの有名な金鉱山「ビッグサンダー・マウンテン」も車窓から眺めることができます。
フロンティアランド・デポに到着

ハロウィンの時期には、デポの周りにカボチャがゴロゴロ…
一つ目の駅「フロンティアランド・デポ(Frontierland Depot)」にて一度停車します。この駅は蒸気機関車の給水および給油場所としても機能しています。
要塞の中を通過すると…

カリブの海賊たちが暴れまわる要塞
フロンティアランド・デポを後にし、アドベンチャーランドへ。このエリアには危険なジャングルと海賊たちが暴れまわる要塞があります。要塞の中に入ったら、窓の外を注意深く眺めてみてください。アノ方と遭遇できるかもしれませんよ。詳しくはこちらの記事でも紹介しています。
ファンタジーランド駅に到着
要塞を抜けると、二つ目の駅「ファンタジーランド駅(Fantasyland Station)」が見えてきます。

アリスのキュリアス・ラビリンスの奥にファンタジーランド駅があります
花や木に囲まれ、4つの駅の中で最も美しい停車場だと言われています。駅舎は英国式建築に基づいて作られています。ファンタジーランドの裏側に位置し、「眠れる森の美女のお城」や「ケイシーJr.」、「アリスのキュリアス・ラビリンス」などのアトラクションを眺めることができます。

駅からはお城も見えます

こちらは ” 小さな世界 ” の乗り場
イッツ・ア・スモール・ワールドの裏側部分を通り、「ディスカバリーランド駅」へと列車は進んでいきます。
ディスカバリーランド駅に到着
三つ目の駅「ディスカバリーランド駅(Discoveryland Station)」は、未来都市の中央に位置するステイションです。

ハイパー・スペース・マウンテンの真後ろにあります
この駅は「スター・ツアーズ」のアストロポート(宇宙港)上部にあります。スペース・マウンテンのオープンに伴う拡張工事の際に作られたもので、ディズニーランド・パリ開園後に追加された唯一の駅となっています(1993年7月オープン)。

ディスカバリーランドをぐるっと周るような形で列車は進んでいきます
そして、列車はメイン・ストリートUSAへ…
未来都市から一転、古き良きアメリカのタウン・スクエアへ。時空を超えたこの30分間の旅もあともう少しです。

新たな出発に向けて、汽笛を鳴らす準備をし始めています
無事、メイン・ストリート駅へと戻り、役目を果たしたG・ワシントン号は、誇らしげにも、少し、寂しげにも見えます。どこか懐かしさを感じさせるこの景色の中で、旅の終わりを迎えます。
ウォルトは鉄オタだった!?
ウォルト・ディズニーは自宅の裏庭でミニチュア鉄道を建設してしまうほど、鉄道愛好家として有名だったそうです。「鉄道の素晴らしさを世界に広めよう」と、自身の鉄道愛を共有するために作られたのが「ディズニーランド鉄道」でした。ウォルト亡き後も、彼の意思は受け継がれ、現在、世界中のディズニーランドでウォルトの夢を乗せた鉄道に乗車することができます。
ウォルトの思いを五感で体験できるアトラクション

私が海外ディズニーを訪問した際、「イッツ・ア・スモール・ワールド」と並んで、必ず体験したいと思っているアトラクションが「ディズニーランド鉄道」です。ぐるっと一周することで、その国のディズニーの空気を感じられますし、ウォルトの思いがしっかりと受け継がれたアトラクションだと思っているからです。車窓からの眺めはもちろんのこと、汽笛の音、エンジンの響き、車輪から伝わる揺れや仄かに香る油の匂いなど、五感を使って、身体いっぱいに味わうことのできるアトラクションだとも思っています。訪問の終盤で余韻に浸りながら乗るのも良いかもしれませんね。