
パリには「アグラバー」を再現したエリアがあります
アラジンの魅惑のパサージュ(Le Passage Enchante d'Aladdin)は、ディズニー映画『アラジン(1992年)』の有名なシーンを再現したショーケースを観賞して回る、ウォークスルー型のアトラクションです。ユーロ・ディズニーランド開園の翌年(1993年)にオープンしました。

アドベンチャー・バザールの一角にあります
パリにしかないこのアトラクションは「アドベンチャー・バザール」というアラビア風の建物が立ち並んだ広場の中にあります。『アラジン』に登場する架空の街「アグラバー(Agrabah)が再現されているエリアです。
この記事の目次
DLPで最も小さなアトラクション!?
このアトラクションが作られた背景には、ユーロ・ディズニーランドの財政問題がありました。来場者の増加を目的に、前年(1992年)に公開されたディズニー映画『アラジン』のヒットにあやかろうと急きょ作られたのが「アラジンの魅惑のパサージュ」だったのです。しかしながら、突貫工事だったということもあり、規模はかなり小さめ。結果「ディズニーランド・パリで最も小さなアトラクション」という肩書きを付けられることとなりました。
アトラクションのデータ
アラジンの魅惑のパサージュ(Le Passage Enchante d'Aladdin)
- 所要時間:制限なし(10分程度)
- アトラクションタイプ:ウォークスルー(ファミリー向け)
- エリア:アドベンチャーランド(ディズニーランド・パリ)
- 開始日:1992年11月
- ファストパス:✕
混雑状況など
待ち時間、混む時間帯など
アプリ上の表記は終日5分待ち。実際は待ちナシ。すぐ中に入れます。
ファストパスには対応しているの?
ファストパス非対応のアトラクションです。
体験レポート
外観について

ここが『アラジン』の世界への入口です
内部はどうなっているの?

建物内に入ると、早速ジーニーが出迎えてくれます
一方通行とはいえ、左右に曲がりくねりながら進んでいくので、迷路を歩いているような感覚です。混雑はしておりませんが、それなりに人はいるので、ゆっくり歩いて進むのがよいでしょう。
各ショーケースについて
メインは、映画『アラジン(Aladdin)』のワンシーンを再現したショーケースの観賞です。全部で9つのシーンが紹介されています。
01:Agrabah Market(アグラバー市場)

パンを盗んだアラジンが剣を持ったアグラバーの警備員によって追われている場面から物語が始まります。警備員たちはとてもあくどい顔つきをしていますね(笑)画面左側にはアラジンの相棒、猿の「アブー」の姿も見えます。
02:The Magic Lamp(マジックランプ)

映画にも登場する「魔法のランプ」が岩の上に鎮座しています。静かにぼんやりと光を放つその姿は幻想的です。
03:Aladdin's Home(アラジンの家)

警備員から逃れ、家に戻ったアラジンがアブーと語らっているシーンです。アラジンの家の窓からはジャスミンが暮らす宮殿が見えます。
04:Cave of Wonders(不思議の洞窟)

アラジンが虎の顔の入り口から不思議な洞窟の中へ入ろうとしています。洞窟の中で運命の出会いが待っているとも知らずに(笑)
05:Friend Like Me(フレンド・ライク・ミー)

洞窟の中に入ると、目の前には宝の山が。アラジンはランプを見つけると、こすってジーニーを登場させます。久しぶりに外の世界に飛び出したジーニーはショー(Friend Like Me)を披露します。
このショーケースでは、ジーニーが現れたり、消えたりするという特殊効果が使われています。これは反射を用いたオーディオ・アニマトロニクスの技術とのこと。ちなみにこの効果は「ファントム・マナー」でも取り入れられているそうです。
06:Prince Ali(アリ王子)

アラジンはジャスミンと結婚するために、アリ王子に扮装し、象に乗ってジャスミンと王様の前に登場します。ジャファーはそんな彼の存在を陰で疎ましく思っているようです。
07:Snake-like Jafar(大蛇に変身したジャファー)

巨大な恐ろしいコブラに変身したジャファーはアラジンに襲い掛かります。ジャスミンは砂時計の中に閉じ込められ、囚われの身に。
08:Jafar Defeated(ジャファーの敗北)

クライマックスでジャファーはジーニーのランプの中に閉じ込められてしまいます。ジャスミンも無事、解放されます。勧善懲悪は世界共通!?なんでしょうか?

そのシーンを傍らで見守るジーニーがかわいいです
09:Farewell(別れの刻)
晴れて結ばれたアラジンとジャスミンは月夜の中、魔法のじゅうたんでアグラバーの上空を飛行し、ゲストに物語の終わりを告げています。月の姿をした少し不気味(笑)なジーニーが、ハッピー・エバー・アフターな二人を見守っています。

建物内には「A Whole New World」が流れています
装飾品にもこだわりがあります

建物内部のあちらこちらで、本当にアグラバーにありそうな骨董品や照明器具、調度品なども見ることができます。ショーケース以外の部分でもしっかりと楽しめます。
エリア拡張計画はあったものの、頓挫…
アドベンチャー・バザールを中心としたアラジンのエリアには元々、拡張計画がありました。アラジンの魅惑のパサージュの裏側にはやや広めのスペースがあったため、その敷地にライド型のアトラクションを導入する予定だったようです。

この後ろ部分を使ってエリア拡張する予定でした
検討されていたアトラクションというのは、東京ディズニーシーにもある「フライング・カーペット」です。ところが、その話は流れ、結局この地にフライング・カーペットが作られることはありませんでした(導入予定地の一部は、現在、アフリカ料理レストラン「ハクナ・マタタ(Hakuna Matata)」に利用されています)。
ちなみにフライング・カーペット型のアトラクションは、お隣、ウォルト・ディズニー・スタジオで2002年に導入されています。

現在はWDSの上空を高く、高く飛んでいます…
アグラバー散策は楽しい!
アラジンの魅惑のパサージュは映画の内容がしっかりショーケース内で再現されているので、幅広い年代で楽しめるアトラクションです。
アトラクションもさることながら、アドベンチャー・バザールの異国情緒が漂う雰囲気が私はお気に入りです。曲がりくねった石畳の上を歩いていると、アラジンの世界に迷い込んでしまったかのようです。エリアも含めて楽しめると思いますので、ぜひお時間を見つけてアグラバーの暮らしを覗いてみてはいかがでしょうか。

ジーニーとアブーも待っていますよ