海賊たちが暴れまわる ” 要塞 ” が舞台となっています
この記事について
今回は、ディズニーランド・パーク(パリ)のアトラクション「カリブの海賊」についてご紹介したいと思います。「混雑状況」や「攻略方法」はもちろんのこと、アトラクションの「背景」や「トリビア」など、体験する前に知っておきたい情報や楽しみ方のポイントについて、臨場感たっぷりの ” 体験レポート ” と共にお届けいたします。
パリ版独自の演出もお見逃しなく
カリブの海賊(Pirates of the Caribbean)は、パイレーツの世界をボート型ライドで旅する、ディズニーのクラシカル・アトラクションです。ウォルト・ディズニーが最後に監修した ” 作品 ” としても知られています。
パリ版はオリジナル(カリフォルニア版)をベースに作られていますが、構成や展開は他のバージョンと異なっており、独自のシーンも追加されています。
アトラクションのデータ
カリブの海賊(Pirates of the Caribbean)
- 所要時間:約10分
- アトラクションタイプ:フリューム・ダークライド(ファミリー向け)
- エリア:アドベンチャーランド(ディズニーランド・パーク)
- 開始日:1992年4月12日
- 混雑状況:★★★★☆
- ファストパス:✕
- シングルライダー:✕
パリ以外でこのアトラクションを楽しめるパークは??
ディズニーランド・パークの「カリブの海賊」と同タイプのアトラクションは、以下のディズニーパークにも導入されています。
- ディズニーランド(カリフォルニア)
- カリブの海賊(Pirates of the Caribbean)
- マジック・キングダム(フロリダ)
- カリブの海賊(Pirates of the Caribbean)
- 東京ディズニーランド
- カリブの海賊(Pirates of the Caribbean)
- 上海ディズニーランド・パーク
- カリブの海賊:バトル・フォー・サンケン・トレジャー(Pirates of the Caribbean: Battle for the Sunken Treasure)
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』仕様にリニューアル
ウォルトの想いは守られました
パリ版のカリブの海賊は、オリジナル(カリフォルニア版)を「再構成」した内容となっており、ウォルトの ” 本来の構想 ” に近いものだと言われています。
それ故、長らく本アトラクションの改修は行われなかったのですが、2017年7月、ようやくパリ版も映画『パイレーツ・オブ・カリビアン(Pirates of the Caribbean)』仕様にリニューアルされました。
この改修により「ジャック・スパロウ(Jack Sparrow)」をはじめとする、お馴染みのキャラクターのフィギュアがアトラクションの各シーンに導入されましたが、コース・レイアウトや大筋のストーリーが変わるようなことはなく、ウォルトが思い描いたコンセプトはリニューアル後も損なわれることはなかったようです。
混雑状況について
お昼過ぎに若干混雑が緩和されることも
待ち時間/混雑する時間帯など
パーク内において、比較的、待ち時間の長いアトラクションのひとつとなっています。
待機時間の目安としては、平日は45~60分、休日で90分程度といったところでしょうか。混雑日には100分を越えることも。
一時的に混雑が緩和される時間帯(ショーやパレードの開催中、など)もあるようです(その場合の目安は「~30分」程度)。どうしてもスタンバイで並ぶ場合には、朝イチの他、そういったタイミングを狙ってみるのも良いでしょう。
ファストパスには対応しているの?
ファストパスには対応していないアトラクションです。
シングルライダーには対応しているの?
シングルライダーには対応していないアトラクションです。
体験レポート
ガリオン船をモチーフとしたエントランス
それでは、ディズニーランド・パークのアトラクション「カリブの海賊」について、詳しくご紹介していきたいと思います。
外観について
どっしりとした存在感のあるエクステリア
パリ版のカリブの海賊は、” 要塞型 ” の外観となっています。ドクロマークのフラッグがはためき、砲台も構えています。ニューオーリンズの洋館風となっている米国&TDL版とは、見た目の印象がかなり異なっています。
Qラインについて
中庭を通って、要塞の中へと入っていきます
エントランスを抜けたその先には開放感のある中庭が広がっています。パリ版のカリブの海賊は比較的、待ち時間を要するアトラクションとなっているため、外部のQラインは他のディズニーパークと比べ、長めに設定されているようです。
内部はどうなっているの?
思いの外、リアルな造作となっています…
要塞の中は「地下牢(ダンジョン)」と「ブルー・ラグーン」という2つのゾーンに分かれています。薄暗い空間が続く「ダンジョン・エリア」では、蜘蛛の巣に覆われた海賊たちの成れの果てと、何度も何度も遭遇することになります。
” ラグーン・エリア ” は少し明るめ
続く「ブルー・ラグーン」は ” 夜の海 ” を再現したエリアとなっています。どことなく「ブルー・バイユー」を彷彿させますね。周りにはヤシの木が生えており、カリビアンな雰囲気が漂っています。
ライドは ” ボート ” 型
混雑はしていますが、回転率は◎
ゲストは ” ボート型 ” のライドに乗ってアトラクションを体験します。ひとつの船につき定員は22名。TDL版(20人乗り)よりも1列分多いため、ボディは若干、細長い印象を受けます。
さあ、” 海賊たち ” の世界へ!
カリブ海へと向かう船旅の始まりです
夜のラグーンから、この危険な船旅は始まります。
朽ち果てた難破船の横を通り過ぎると、荘厳なオルガンが鳴り響く古い要塞が目の前に。ゲストを乗せたボートはその中へと入り、どんどん上昇していきます。
その先には映画にも登場する「デイヴィ・ジョーンズ (Davy Jones)」の姿も。
パリ版は他のバージョンの逆の展開となっています
その後、ボートは大きな炎に飲み込まれた要塞の中を、ゆっくりと進んでいきます。
こちらのセクションでは、牢獄に閉じ込められた海賊たちが護衛犬から鍵を盗もうとする、お馴染みの ” あのシーン ” を見ることができます。内容の構成や展開が異なる点は、パリ版の楽しみ方のひとつとなっています。
このカギっ子ワンちゃんの直後、1回目のドロップが用意されています。
海戦シーンはあるものの…
一番の ” 見せ場 ” は短めです(笑)
ドロップにより一段下がったエリアに広がる光景は、海賊船と砲撃砦の激しい戦闘場面です。爆発のエフェクトは迫力満点ですが、シーンの尺は若干短めです。
パリ版だけのワンシーンも
まさかドロップが「2回」もあるなんて…
海賊たちに襲われた荒廃した町へと場面が移ると「ヨーホー!ヨーホー!」という、あの陽気な唄が耳に届きます。本アトラクションの言語はフランス語がメインとなっていますが、このテーマソングは英語で歌われています。
本セクションで見ることのできる、男性二人の「剣闘シーン」や「女性を追いかける海賊のプロジェクション」などは、パリ版独自の演出となっています。樽の中には「あの方」が隠れているので、どうぞお見逃しなく。
この頽廃的な町を通り過ぎると、2回目のドロップが待ち構えています。
ラストには ” アノ方 ” もお目見え
因果応報…
ドロップの先には、さらに薄暗い空間が広がっています。そこは、骸骨と化した海賊たちが静かに眠る ” 死の洞窟 ” です。ついさっきまで我が物顔で振舞っていた海賊たちも、無残な最期を遂げているのが分かります。
Yo ho, yo ho, a pirate's life for me~♪
そんな中、ご機嫌に鼻歌を歌うひとりの男が登場します。ジャック・スパロウです。彼は宝の山の上でオウムと静かに盃を交わしています。金銀財宝に囲まれていながら、どこか無常感の漂う表情を浮かべています。ジャックも、あの海賊たちと同じ末路を辿ることを予感しているのかもしれません。
ボートは無事、船着き場へと到着。この船旅も静かに終わりを迎えます。
ライドフォトにも対応しています
パリの思い出をフォトパスで残そう
カリブの海賊は「ライドフォト」の対象アトラクションとなっています。
ライドフォトというのは、アトラクションの体験中に撮影される写真のことです。東京ディズニーランドの「スプラッシュ・マウンテン」やディズニーシーの「タワー・オブ・テラー」でもお馴染みのサービスですね。
ちなみに、” ドロップ(2回目) ” のタイミングでライドフォトの撮影があります。
しっかり笑顔で臨み、思い出の1枚を残しましょう(笑)。
フォトパス+はライドフォトの販売店舗にて購入できます
ちなみに、ライドフォトはアトラクションの出口付近に隣接するショップ「キャプテンの小箱(Le Coffre du Capitaine)」にて購入可能となっています。
店舗カウンターにて、ライドフォト購入の旨と該当の画像 No. を店員さんに伝えるだけでOKです。
受け取りまでの所要時間は、余程混雑していない限り「5分」程度といったところでしょうか。
また、ディズニーランド・パリではプロのカメラマンによる写真撮影サービス「ディズニー・フォトパス(Disney PhotoPass)」を提供しています。
定額料金でライドフォトをたくさんコレクションできるおすすめのサービスです。
意外なところから、カリブのラストシーンが観られる!?
この蒸気機関車での鉄道の旅も風流があります
パリ版の「カリブの海賊」は、意外な場所から ” ラストシーン ” を観ることができます。
それは、ディズニーランド・パーク(パリ)を、蒸気機関車型のライドで1周する「ディズニーランド鉄道(Disneyland Railroad)」の乗車中です。列車が「フロンティアランド・デポ」と「ファンタジーランド駅」の間にある ” 要塞 ” を通過する際に、カリブの海賊の内部の様子を覗くことができるのです。
チカピン・ヒルが水浸しとなってスプラッシュ Mt. となりました
これとよく似た演出は、他のディズニーパークにもあります。
それは、ディズニーランド(カリフォルニア)の「ディズニーランド鉄道(Disneyland Railroad)」です。
乗車中に列車は「チカピン・ヒル(Chickapin Hill)」という、小高い丘の内部を通過するのですが、その際に「スプラッシュ・マウンテン」のワンシーンを見ることができるのです。
カリブの海賊はボート型のタイムマシン!
パリは何気に「パイレーツ」に注力しています
今回は、ディズニーランド・パーク(パリ)のアトラクション「カリブの海賊」についての体験レポートをお届けしました。
パリ版のカリブの海賊は、ウォルトの想いが込められた理想形だと言われています。驕れる海賊たちの行いが、最終的には惨めな死をもたらすという展開の方がストーリーとしても分かりやすいですよね。また、ドロップのタイミングで空間のみならず、時間も切り替わるので、まるでタイムマシンにでも乗っているかのようです。時間軸を駆使することで、ウォルトは「栄枯盛衰」のようなものを表現したかったのかもしれません。
海賊たちの激しいバトル・フィールド、そして、ウォルトの想いが込められた ” カリブ海への船旅 ” を、是非、パリで体験してみてはいかがでしょうか。